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テーマ:京極堂シリーズ大好き!(44)
カテゴリ:京極夏彦
京極堂シリーズ本編第3作である,
京極夏彦の「狂骨の夢」(1995)を読んだ(再読&ネタバレ不可避。色も変えていませんが「犯人はあいつ!」とかは当然書いていません,笑)。読み終わってみると,例によって「不思議なことなど何ひとつない」ということになるのだが,今回もまた,「骨」にまつわるいろいろなことに戸惑わされた(笑) 京極作品の中では「わかりやすい」というか「不安要素が少ない」部類に入るように思えた本作だが,関口の関わり方が間接的で,そのかわりを伊佐間が請け負っていたことからくるかもしれない(笑) 冒頭の朱美のモノローグの次に登場する伊佐間だが,彼が最初に逗子に釣りに行った日付についてかなり悩んでしまった(もちろん読了後)。 結論として11月1日。 佐田申義が殺されたのが昭和19年の8月31日か9月1日。 伊佐間が出会った朱美はその日が夫の「月忌日」であるといい,霜月の31日ではその次に伊佐間が逗子に行った12月4日と間隔が近すぎるからだ。 この日は宗像賢三が宇多川朱美を訪れた日でもあり,その後鷺宮邦貴と賢三の訪問とが続いて,11月10日に朱美は逗子で最初の殺人を犯すことになる。 伊佐間の次に登場するのが飯島基督教会の白丘と降旗だが,宇多川朱美が教会を訪れたのは11月28日ということで,その間にも「夢の中」での朱美による殺人が続いていたのだろう。 そして,やっと関口&淳子が宇多川崇から話を聞かされて事件に巻き込まれていくのだが,これが宇多川崇が殺される2日前。 その後,木場が降旗を伴って京極堂に行ったり,一度は降格されたものの警部に復帰し,葉山署で孤立無援になっている国家警察神奈川県本部の石井が関口宅を訪れたりしたあとで,京極堂による憑物落としがあり,事件も解決する。 7月の「雑司ヶ谷の久遠寺医院の事件(「姑獲鳥の夏」)」,9月の「武蔵野連続バラバラ殺人事件」と続いた昭和27年(1952)の最後を飾る事件でもある。 ふ~,やっと落ち着いた!! 「千五百年の夢。五百年の夢。前世の夢に現世の夢。 骨をを巡る沢山の夢ばかりが繋がって,協奏曲を奏でていたようだ」 という伊佐間の感慨が端的にこの作品の総括になっていて,長大な時間と歴史をめぐる話でもあるのだが,とりあえず「現在」を整理できて安心したわけだ(笑) それにしても,すべてがうまくおさまる所におさまっていくのに,感心。 「魍魎の匣」(日記は→こちらから)では1つの事件を「4つの別々な事件」と見ることで解決したのだが,今回はその逆。 「二子山山中集団自殺事件」,「金色髑髏事件」,「逗子湾生首殺人事件」,降旗の夢,白丘牧師の執着,朱美の夢,「佐田申義殺害事件」が1つの事件としてものの見事につながっていく。 事件を髑髏のフットボール(ラグビー? サッカー? すでに忘れた,笑)に見立てた着想も読み終わってみると納得で,中にはグラウンドのかなたに消えてしまうものもあり,中には記念品として大切にしていたのにニセモノだとわかり捨ててしまうものもあり,ただの練習ボールもあり……と,う~ん納得できすぎ(笑) 「千五百年の夢」が太平洋に消えたのも,「五百年の夢」が知られないまま続いていきそうなのもよかった。 PS 榎木津や木場,その他レギュラーの登場人物はあいかわらずなのだが,今回「脇役」として妙に印象に残ったのが一柳元憲兵。「そこまで優しくなれるのはすごい」という感じなのだ。 ベテラン刑事の長門もよかった。木場との相性はけっこうよいのかもしれないとは思うのだが,結局木場は拒否したままのような気もする…… 時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ(狂骨の夢)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。 京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。 京極夏彦公式ホームページ:大極宮 楽天ブックス 記事関連のオススメ日記 未来の予定~ラビ的(みっつ君) Oops! Wrong Planet(虹之助さん) ながらにっき(danke3さん) イーヨーのミミ(深町りなさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/04/27 08:23:16 PM
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