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テーマ:ミステリはお好き?(1494)
カテゴリ:京極夏彦
京極堂シリーズ本編第6作である,
京極夏彦の「陰摩羅鬼の瑕」(2003)を読んだ(再読)。あまり人気のないキャラクターの関口だが,嫌いではない。 榎木津から「猿」,中禅寺から「友人ではなく知人」と呼ばれ,木場にとっては戦争中の頼りにならなく保護すべき上官である彼が,たどたどしくオタオタしながらであるが,白樺湖畔の由良伯爵邸(通称「鳥の城」)で「大活躍」する。 「大活躍」という言葉はあまりふさわしくはなさそうだが,目の見えない榎木津を重要な現場に導いて警官と格闘するきっかけを作ったり,由良伯爵と話をして謎の真相に至ったり…… 最後には伊庭の家に足を運んで事件後の経過を語り,その後は雪絵と買い物に行くらしいし…… 「塗仏の宴」の事件での後遺症から立ち直るきっかけが横溝正史との出会いで,しかも,横溝のほうから望んだものだったということも含めて,今回の関口には120点をあげてもよいだろう。 登場人物が比較的少ない,舞台があまり動かないなどのせいか,今回の作品はシリーズ中では「わかりやすい」ほうに入ると思う。 林羅山による「儒教の仏教への寄生説」(←maboの解釈)も,とてもおもしろくて説得力もあった。 「わかりやす」くはあるのだが,由良伯爵に与えられた世界は壮絶な世界であり,ある意味では言葉遊びの世界でもある。 鳥たちに対する伯爵の呼びかけと,婚約者である奥貫薫子との会話を改めて読み返してみると,そこに世界のズレが見事に集約されているようにも思える。 「鳥の城」を建築したのがフランス人のベルナールというところにも,織作家とベルナール学院から引き続いての「家の崩壊」を思わせる暗合があった。 PS 伊庭元刑事が京極堂を訪ねる際,出羽で起きた事件を「五年前」と回想しているのだが,「今昔続百鬼」で昭和26年の事件となっており,「陰摩羅鬼」の事件が昭和28年であること,中禅寺が古書店を始めたのが昭和25年であることなどから,「五年前(昭和23年)」ではなさそうだ。 伊庭の思い違いということにしたい。 PPS 上で「シリーズ中では「わかりやすい」ほうに入ると思う」などと書いたが,由良昂允の祖父である公篤と曾祖父である公房,その弟で,本作で登場した胤篤(公篤の弟)を養子にした公胤などが「後巷説百物語」(日記は→こちらから)に登場していた。 う~ん,京極ワールドは奥が深い!! 時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ(陰摩羅鬼の瑕)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。 京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ → 京極夏彦の世界 (↑関連トラバの集積場所) こちらもクリックをよろしく! → このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 著者ホームページ:大極宮 楽天ブックス 記事関連のオススメ日記 ながらにっき(danke3さん) イーヨーのミミ(深町りなさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君) 楽園に吼える豹(なまけいぬさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/04/06 01:02:25 AM
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