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カテゴリ:読んだ本(その他・海外)
「ウースター家の掟」に続く長編である,
P.G.ウッドハウスの「ジーヴスと朝のよろこび」(Joy in the Morning<Jeeves in the Morning>,1947)を読んだ。「それゆけ、ジーヴス(1925)」に登場し,新しく雇ったジーヴスの大手柄の結果としてバーティーが無事婚約を解消することができたフローレンス・クレイが再登場する。 そのときの日記(→こちらから)に,「フランスに行ってしまって本書では名前しか登場しないフローレンスの父は,のちのちとんでもない設定で再登場する。」と書いたのだが,本書でその「とんでもない設定」が明らかになる。 ということで,それについて書いていきますので,明らかになる設定を知りたくない方はここでおやめください(笑) ある朝「たまご! たまご!」と叫んでフランスに行ってしまったとされるフローレンスの父は,ウォープルスドン伯爵でイギリスの海運王として登場する。 しかも,なんとあのアガサ伯母の再婚相手でもある(元の夫で株屋のスペンサー・グレグソン氏がどうなったかは不明。再婚の前に「長らく未亡人」だったとあるが,その割に息子のトーマスの年はあまり変わっていそうにない,笑)!! フローレンスとアガサがいるということで,スティープル・バンプレイはバーティーにとってけっして近づきたくない場所である。 ところが,近くの川に絶好の釣り場がありジーヴスは行きたくてたまらない。 ウォープルスドン卿からアメリカの海運王J・チチェスター・クラムと秘密裏に会う方法の相談を受けたジーヴス(かつて卿に仕えていた)は,バンプレイ・ホール近くのコテージをウォープルスドン卿がバーティーに貸し,そこで秘密の会合を開くように勧め,結局バーティーはスティープル・バンプレイに行くことに。 そこで,バーティーが引っ掻き回し,ジーヴスの知恵でうまくまとまるのはおもに, 1 バーティーの幼なじみのノビー・ホップウッドとバーティーの学友で小説家のボコ・フィルトワースの結婚の許可をノビーの後見人のパーシー伯父から得ること, 2 スティルトン・チーズライトとフローレンスの婚約を確かなものにすること, 3 パーシー伯父とJ・チチェスター・クラムの会合を成功させること。 1 パーシー伯父が小説家をまともな仕事と認めないことに加え,ボコが「変人」であるため,バーティーも組んでいろいろやってみるものの,結婚の許可は遠のくばかり。 最後には,アガサ伯母の影をちらつかせたジーヴスの「騙し」で無理やり許可を得る。 2 自分が読ませた本のせいで,伯父の援助で国会議員になるより田舎の平巡査から出世しようとするスティルトンにフローレンスは不満。 バーティーが,自分の書いた本を買い,スピノザを読み,誕生日に高価なブローチをプレゼント(実がアガサ伯母からのもの)してくれたと勘違いしたフローレンスはバーティーとの結婚を宣言。 治安判事でもあるパーシー伯父の巡査である自分に対する横暴な振る舞いに怒ったスティルトンが警官を辞める決心をして,フローレンスと仲直りする。 3 コテージでの会合は,バーティーが着いたとたんに「1日1善」のエドウィンがコテージを燃やしてしまったため不可能に。 バンプレイ・ホールの園芸小屋で会おうとするが,チチェスター・クラムをスティルトンが泥棒と間違えて小屋に閉じ込めてしまったため失敗。 隣町の仮装舞踏会で,シンドバッドに扮したパーシー伯父は証聖王エドワードに扮したクラム氏と会談できて大満足。 アガサ伯母は息子のトーマスのおたふく風邪の看病のため,最初から最後まで出てこない。 しかし,その存在感の強さといったら!!!(笑) 彼女がバーティーに託したブレスレットのせいで彼はフローレンスとの再婚約(「あとがき」によるとこのパターンは今後もあるらしい,笑)を余儀なくされ,バンプレイ・ホールに飾られたアガサの写真にはバーティーだけでなくパーシー伯父もおびえていることがわかり,「アガサが帰った」というジーヴスの嘘によって,パーシー伯父はノビーの結婚を許してしまう。 何はともかく,その嘘がばれないうちにスティープル・バンプレイを逃げ出したバーティーとジーヴスの行動は正解!! そこでやっと「よろこびの朝」を迎えることができたわけだ。 国書刊行会版についての日記はそれぞれ,「比類なきジーヴス」(1923),「それゆけ、ジーヴス」(1925),「よしきた、ジーヴス」(1934),「ウースター家の掟」(1938)からどうぞ。 P・G・ウッドハウス選集(1)「ジーヴズの事件簿」の日記は,→こちらからどうぞ。 ジーヴズは執事? 従僕?の日記は,→こちらから, 「ジーヴズオムレツを作る」の日記は,→こちらからご覧下さい。 「エムズワース卿の受難録」の日記は,→こちらからどうぞ。 登場人物と関連ホームページをフリーページのウッドハウスメモ(ジーヴズシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。 ウッドハウスの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (ウッドハウス)からごらんください。 楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/07/28 03:15:51 AM
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