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あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2024.10.03
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カテゴリ:緩和ケア


ホスピスのこころを大切にする病院 - 新しい医療を目指して - [ 前野宏 ]


ホスピスとは、心身ともに疲れはてた患者さん、家族さんに、われわれ医療者のおもてなしを受けて貰い、休んでもらう場所である。
われわれのホスピスは独自の登録制を採っている。
一度の入退院を済ませれば登録完了、退院して自宅で過ごして在宅看取りになってもよし、いつでも再入院してもらって最後までホスピスで過ごしてもらうもよし、としている。
火曜日に旅立たれた90代の女性は、4世代で同居していた。「ひ孫が今のところ私の一番のお薬やから、それが効かんようになるまで家にいます。」と自宅で過ごしていた。月曜日の朝、突然息苦しくなり、咳が止まらなくなり、血痰も出現したため入院。癌性リンパ管症と診断しステロイドを投与したが改善に至らず。自宅ではモルヒネを内服していたが、持続皮下注射に変更、火曜日の昼間に大勢の家族に看取られて旅立たれた。お薬であるひ孫の母の孫娘は「お祖母ちゃん孝行ができて良かった。毎日、写真を撮った。弱っていく姿をみるのは辛さもあったけど、いのちの尊さを教えて貰った。」と話してくれた。
昨日、水曜日に旅立たれた80代男性は、一つ年上の妻と二人暮らし、10キロほど離れた所に住んでいる娘かサポートしていた。腎臓が一つしかなく透析も勧められていたが、それを拒否してホスピスに来て、登録入院をした。「タバコが吸えんようになったら入院します。」と自宅で過ごしていた。火曜日、意識混濁で入院、カルシウムがとてつもなく上がっていた。一晩を妻、娘と3人で過ごし、水曜日の午後に旅立たれた。妻ら娘は「家にいるとお父さんのことだけ、というわけにはいかないけど、ホスピスではそれができた。人生で一番濃密にお父さんと時間を過ごした。」と笑顔でその旅立ちを見送っておられた。







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Last updated  2024.10.03 04:50:27
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