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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:Space
ver.07-01
宇野 ゴミ回収車にゴミを投げ入れている 葉子 そこへゴミを持って走ってくる 葉子 あ、あの、すいませーん!! 宇野 声に気付いて顔を上げる 宇野 お?危なかったね。ギリギリセーフ!! 葉子 良かったぁ。 宇野 いつもはもうちょっと早いからね、気をつけて。 葉子 はい、ありがとうございます。私、引っ越してきたばかりで・・・ 佐野 ゴミを持って走ってくる 佐野 ちょっと待って!! 宇野 佐野をちらっと見て 宇野 じゃっ!おーい、行ってくれ! 宇野 回収車のドライバーに声をかけ立ち去ろうとする 佐野 待ってって!!これも持っていって!! 宇野 面倒くさそうに振り返る 宇野 何? 佐野 これも、持って行ってください! 宇野 時間過ぎてるよ。 佐野 過ぎてるって、まだ8時ですよ。 宇野 だから、8時までに出すのがルールだろ?1秒でも過ぎたら駄目。 佐野 ちょっと位いいじゃないですか。そこの彼女のは持って行ってくれるんでしょ? 宇野 彼女は8時ジャストだ。 佐野 お願いしますよ・・・。引っ越してきたばかりで、ルールが分かってなかったので、次からはちゃんと8時までに持ってきますから・・・。 宇野 じゃあ、来週だしてくれ。1人例外を作ると、みんな認めなくちゃならなくなるだろ? 佐野 そうかもしれませんけど・・・。これ、生ゴミなんですよ・・・。来週まで置いておいたら虫が湧いちゃいますよ・・・。 宇野 それはお前の都合だ。 葉子 気付いたように 葉子 あ、私、生ゴミ忘れてた。 葉子 そういうと一旦離れ、再びゴミ袋を持って出てくる 葉子 すいません。これもお願いします! 葉子 袋を宇野に渡す 宇野 しょうがないなあ・・・気をつけてよ!この時期、生ゴミなんて部屋に置いておいたら虫が湧いちゃうよ。 宇野 笑って袋を受け取る 佐野 すいません。 佐野 便乗してゴミ袋を渡そうとするが、宇野に相手にされない 佐野 宇野と無言でしばし袋のやりとりをするが、宇野受け取らない 佐野 なんで、俺のは持って行ってくれないんですか! 宇野 だから、ルールだって言ってんだろ!分からない奴だな!! 佐野 彼女のは、今、受け取ったじゃないですか! 宇野 おまえ、生ゴミだぞ!この時期生ゴミを何日も部屋に置いておいたら、大変なコトになるだろ! 佐野 だから、俺のも、生ゴミだって!! 宇野 お気の毒に。 佐野 なんで、俺のは駄目なんだよ! 宇野 8時過ぎてるから。 佐野 彼女のだって、後から持って来たのは8時過ぎてたじゃないですか! 宇野 彼女は8時に「ちょっと待って!」って言われたの。だから一括り。お前は8時過ぎにちょっと待ってって言ったから駄目なの。 佐野 何だよ、それ・・・。分かったよ、おじさんさあ、次は何処のゴミを回収するの? 宇野 次?次ってなんだよ。 佐野 この後、何処に行くのかって聞いてるの。 宇野 え?えっと・・・ココが最後。 佐野 そんな訳、ないだろ。まだ8時だぞ。 宇野 ウチはこのマンションのゴミ集積所専任なの。 佐野 そんなバカな・・・。 葉子 横でやりとりをずっと聞いていたが、声をかける 葉子 おじさん、持って行ってあげたら? 宇野 え?駄目なんだな。ルールだから。 葉子 えっと、私もう一個持って行ってもらいたいゴミがあるんだけど・・・。 葉子 佐野のゴミを手に取り宇野に渡そうとする 佐野 あ・・・。 宇野 それは無理だな・・・。 葉子 でも、コレも私のゴミですよ。 宇野 いや、これはあんたのゴミじゃない。だから駄目だ。 佐野 我慢しきれずに 佐野 もう、あんたじゃ話にならない! やる気変動アイテム使用中!!クリック1つでランキング上昇!? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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