■大阪市大教授ら「一定周期、奇数年に多い」
今年はセミの多い年…。セミの抜け殻調査などで大阪市内のセミの数を調べている大阪市立大の沼田英治教授らは、今夏、セミの出現が昨年の約2倍にのぼると予想した。沼田教授は、セミの発生は、気温の高低などの影響より、一定の周期で増減しているとみており、「予測では今年は4年に1度のセミの多い年。なぜ周期があるのかまだよく分からないが、もし予測が当たれば、私たちの考えが正しいことが裏付けられる」と、夏の終わりの調査を楽しみにしている。
沼田教授らは平成5年から、夏の終わりに大阪市西区の靫公園内でセミの抜け殻を集め、数える調査を行っている。
これまでの調査結果の分析では、セミの発生量は年によって多い少ないはあるが、この十数年間ではほとんど増減していない。沼田教授は「調査をした14年間では2年続けて増えたことも減ったこともなかった。西暦の奇数年に多いことが確認されている」という。
今年は2007年で奇数年ということからも、偶数年の昨年よりは多いことが予想される。
一方、セミの発生量が4年間、または8年間と定期的な周期で一定数となっているという。平成9年から12年、10年から13年など連続する4年間で抜け殻の数を合計すると、いずれも約10万個となっている。
最も多い4年間では10万5922個、最も少ない4年間では9万7038個で、平均は4年間で10万2498個。今年の発生数として予想した3万8632個は、4年間の平均個数から最近3年間の個数を引いて出したもの。昨年は1万6974個で2倍以上の数だ。
これまで最も多かったのは、阪神大震災のあった平成7(1995)年で、前年の6倍の約4万5000個の抜け殻がみつかっている。なぜこの年にこれほど多くのセミが発生したのかはよく分かっていないが、大阪市立自然史博物館学芸員の初宿(しやけ)成彦さんは「地震が地中にいたセミの幼虫に早く羽化するよう影響を与えたのと、その前年が記録的な猛暑だったことが関係しているのでは」とみている。
セミの鳴き声は夏の暑さを象徴することもあり、暑い年にセミが多いような気がするが、沼田教授は、セミの増減は気候などの環境によるものでなく、何か周期的な要因で起こっていると考えており、大阪に多いクマゼミでは2の倍数がカギをにぎるとみている。
また、セミが最もうるさい日がたくさん出現した日と仮定して、長居公園(大阪市東住吉区)でセミの音量調査を行ったところ、「ピーク」の日は16年では7月25日。今年は8月1日ごろではないかとみている
うるさい夏になりそうだ・・・。4年に1度ってのはニュースになるほどのコトなのか??