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テーマ:連載戯曲(216)
カテゴリ:Space
ver.09
佐野 立ち去る 宇野 何か書き物をしている 葉子 あのさ・・・・。 宇野 なんだ? 葉子 やっぱりさ・・・。 宇野 何? 葉子 難しくない? 宇野 何が? 葉子 ・・・お笑い。 宇野 は?何言ってるの? 葉子 でもさ・・・。 宇野 確かにオーディションには落ちた。でも2回や3回落ちたくらいでさ。 葉子 桁が足りない。 宇野 言葉に詰まる 宇野 で、でもさあ、わからねえじゃん。 葉子 だってさあ・・・。 宇野 なんだよ。 葉子 5分って持ち時間にさぁ、15分のネタ持ってったって受かるわけないよ。 宇野 しょうがないだろ?まとまらないんだから。それに面白ければそれで良いんじゃないの? 葉子 どんなに面白くたって、今はライブだってテレビだって時間通りにまとめられなくちゃ使ってもらえないよ。 宇野 なんだよ、知ったようなコト言って。 葉子 調べたモン。 宇野 じゃあ、分かった。もっと短くまとめればいいんだろ?やるよ、やる。まとめますよ! 葉子 それ以外にもさ・・・。 宇野 まだ、あるのかよ。 葉子 周りの人が、面白くて自信が無くなったって言うか・・・。 宇野 今更、そんなコト言うなよ。 葉子 じゃあ、そう思わない? 宇野 思うよ、そりゃちょっとは・・・。 葉子 でしょ? 宇野 でも、そんなコト言ってたら何もできないだろ。ま、とにかく5分にまとめるから、それをやってみてからでも良いだろ?その話は。 葉子 うん・・・。 宇野 よし、じゃあ早速やってやる! 宇野 立ち去る 佐野 入ってきて、座る 佐野 あいつ、なんだって? 葉子 とりあえず5分のネタを作るって。 佐野 無駄だよ・・・。 葉子 ・・・。 佐野 ぶっちゃけ葉子はどうなの?まだやりたいの? 葉子 ・・・やりたいはやりたいけど・・・。 佐野 けど・・・何? 葉子 やりたいだけでやれるものでもないかなって・・・。 佐野 じゃあ、辞めた方が良いって思ってるのか? 葉子 ・・・分からない。 佐野 いらついたように 佐野 そういう優柔不断さに俺達を巻き込むなよ。 葉子 だって・・・。 佐野 葉子がちゃんと決められれば、別に俺達なんて必要ないんだから。 葉子 必要だよ・・・。いてくれなきゃ困るよ・・・。 佐野 でもな、いつまでも俺達に頼り続けるって訳にもいかないだろ! 宇野 影で聞いている 葉子 分かってる、分かってるよ、そんなこと!!でも嫌なの!! 葉子 立ち去る 宇野 入ってくる 宇野 なんで、あんなコト言うんだよ。 佐野 驚いたように振り向く 佐野 いたのか・・・。 宇野 そりゃ、いるよ。 佐野 だな。 宇野 ああ・・・。なんで・・・あんなコト言うんだよ。 佐野 実際、そうじゃねえかよ。 宇野 別に・・・別にいいじゃねえかよ!いつまでも一緒にいれば! 佐野 いつまでも一緒にいるのはいいさ。でもな、俺達に頼り切ってるのが間違いだって言ってるの。 宇野 それも、別にいいだろ!なんで、そんなに嫌がるんだよ! 佐野 だから、俺達がアドバイスをするくらいならいいよ。でも自分で考えずに俺達の考えに乗っかってばかりじゃ・・・壊れるぞ。その内。 宇野 なんで、壊れるんだよ。 佐野 いいか?俺達の意見が交わることは決してない。 宇野 そりゃそうだな。 佐野 葉子が自分で考えるんなら、俺達の意見は交わる必要はない。常に過半数がとれるからな。 宇野 ああ。 佐野 でも、今の状況はどうだ?お前が決定権を持って、葉子は自分の意見を言わない。 宇野 ・・・おまえさあ・・・自分に決定権がないからってすねてんじゃないのか? 佐野 そんなことねえよ!お前は自分の選択が絶対に正しいって自信があるのか? 宇野 そんな自信はねえよ。でもそんな自信がある奴なんて、いるのか? 佐野 だから、多数決なんだろ? 宇野 ・・・ 佐野 葉子が決めるから、たとえ間違ったとしても、意志が統一される。けど、おまえが考えた行動が間違っていたら、葉子はどう思う?いや・・・どうなる? 宇野 ・・・ 佐野 おまえもちょっと頭を冷やして考えろ?自分が存在してる意味をな! 佐野 立ち上がり去ろうとする 宇野 立ち上がり、佐野の後ろ姿を睨む 宇野 静かに佐野に近寄り後ろから首を絞める 佐野 うぐっ!お、おまえ、何を・・・・ 宇野 うるさい!うるさい!うるさーい!! 佐野 おまえ、こんなコトしてどうなるか・・・・ 宇野 黙れー! 佐野 力が抜けその場に崩れ落ちる 宇野 呆然と自分の手を見つめ、立ちつくす やる気変動アイテム使用中!!クリック1つでランキング上昇!? いよいよ明日、最終回!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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