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テーマ:ガンの後の日常(82)
カテゴリ:ガン再発防止のために
ガンの治療をしたら誰しも最大の関心事は再発・転移。当人はドキドキですが、後から考えると笑えてしまう取り越し苦労も多いです。
入院中、足の腿の植皮の傷がいつまでも治らず、皮のないむき出しの赤い部分が痛くて往生しました。腿の皮膚を口の傷を覆うのに使ったのです。毎日、ワセリンを塗ってハイドロコロイドのシートを貼ります。ワセリンを塗れば痛くない、と言われたけど、ヒリヒリと痛くて痛くて。一般にはすぐに皮膚が生えてくるものらしいですが、私は特に遅かったようで、口の傷以上に気になりました。なぜこんなに治らないんだろう、と思い、聞いてみたわけです。 「こんなに刺激的な状態がずっと続いて、そこから皮膚ガンになるということは無いんですか?」「あ、そういうことはありません。」 そうでしょうねぇ~、そうですよね。自分で自分を笑っちゃいました。 足の傷は今は治っていますが、赤く盛り上がっている跡はまだ触るとヒリヒリします。笑っちゃう取り越し苦労だとは思ったものだけれど、あの時確認したお陰で、少なくともこれが皮膚ガンになることはない、と、安心できます。素人にはそんな安心も大きいです。取り越し苦労と思っても、気になったら聞いて見た方がいいと思います。 落雁 = 楽がん! 手術の後、頸部リンパ節郭清の傷の他に、肩に液を出すための管をつけた傷もありました。退院後もそれらの首から肩にかけての傷跡は治りきらず、ガーゼをあてて絆創膏をべたべたと貼りつづけました。それで、皮膚がかゆくざらざらになり、治らなくなりました。横浜市大病院の皮膚科に行って見て頂きました。塗り薬を頂いて、これで治ってくるはずですが、治らなかったらまた考えましょう、と言われました。数日後の診察で、治ってきましたと報告したところ、その皮膚科の先生は仰いました。 「よかったですね。それが効いたということは、当初心配したような皮膚への転移じゃないです。」 えっっ。そんな心配をしてたんですか。前回の診察ではそんな事は一言も仰らず、そんな様子も見えなかったのですが。そう言えばそういう心配を隠す演技で診察して下さってたのかしら。 素人ごころに、そんな転移することってないでしょ~~~、と思いつつ、皮膚科の先生ってそういう心配もなさるんだな、と思いました。癌研病院で聞いていたら、足の時と同じように即座に、そんな心配ありません、と言われたでしょうか。もっと小さい町の皮膚科だったら、診て頂けたでしょうか。ま~、よかった。癌経験者は他科の診察先も選んだ方がいいのかもしれません。 栗らくがん 癌研病院での術後1年くらいの診察だったかな。 「肺のレントゲンに心配な陰があります。」 ドキっ。口腔癌の転移先はまず肺だそうです。 「でも、CTも見て見ましょう。ええっと、、、」と、PCのディスプレイの中の胸の断面写真を順に見ていきました。 「うんうん、大丈夫です。ほら、この白い部分がずっと途切れずに気管まで続いていますね。これは昔の気管支炎などの跡です。転移だったら途切れた塊になっているんです。」 ほ~っ。やった~、やれやれ、転移はなし。ドッキリの後だから、安心感に疲労感が重なってました。癌研有明の最新設備の電子カルテで、自分の断面画像をじっくり見せてもらえました。 先日の術後2年のチェックでは、胸のレントゲンも撮りませんでした。肺への転移は心配もしてもらえないようで。それは喜ばしいことですが。三田病院は電子カルテではないので、もうPCの中に自分の断面を見ることはないかもしれません。 きなこらくがん 口の中の傷の状態は、変化します。でも、奥まっているから見えないのです。食べ物や汚れが溜まるので、指で掃除します。上顎を半分とっているので、鼻の奥のひだ状の複雑な構造に触れます。どうも、以前よりも膨らんできているところがある。これは、再発ではないかしら。と思って診察の時に聞いてみたら、「きれいですよ、心配ありません。」診察のたびに、「心配ありません」と言われるので、今では、このくらい膨らんでいてもいいんだな、と思っています。 先生によると、先生は注意して見逃さないように診るけれど、やはり見逃すことはあるそうです。やはり自分で気がつく事は重要な情報だとのこと。だから安心しすぎないようにはしないといけません。 ごまらくがん 告知された当初から、痛かったり、調子が悪かった右の耳。調子が悪いと訴えても、先生方は口のメインの病巣に集中していて、殆ど耳はかまってもらえませんでした。どうもしようがないということだったのかもしれませんが。メインの治療が終り、退院して半年もたってから、聞こえが悪くなってきました。手術の傷や放射線治療のために、耳と鼻をつなぐ耳管の通りが悪くなっているための浸出性中耳炎ということ。鼓膜に穴を開けて小さな管を入れることで、風通しを良くして、だいたいよく聞こえるようになってきました。この耳についても、最初の頃は、癌があるんじゃないですか、って、何回か聞いたっけ。当初耳のそばのリンパ節には転移していましたが、耳自体に行くことは私の場合心配いらなかったようです。 でも、患者本人の不自由さや不快感があって訴えているのだから、もっと耳についても気を配って欲しかった、と思っています。なりゆきで耳が悪くなるのはしょうがないですよ、みたいにされてました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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