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ガンっ の後だから普通の日常

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2007.01.07
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高野山の宿は持明院さんという宿坊(お寺)でした。奈良から新今宮へ出て南海電車で極楽橋へ着き、駅から歩いて行けるかと勘違いしていましたが、とんでもない。さらにケーブルカーで登って高野山駅へ。それからバスで山の奥へ入ると、ありました。

宿坊の近辺はお寺が隣り合うように沢山続き、バス停の間隔も短いです。バス停から宿はすぐでした。持明院さんは、喩えようもなく素晴らしかったです。

部屋は八畳間で、入り口側に二畳ぐらいの次の間がついていて、お庭に面した側には板の間がついています。部屋の一方の壁には、金箔地に描かれた絵が二面に分れてはめ込まれていました。古木が横に長く垂れて伸びた上に一対の鳥と、鳥の先に大きく沢山の花が豪華ながら落ち着いた佇まいです。他方の壁には、床の間に山水画の掛け軸と、おおぶりの彫り物の香炉が置かれていました。その横の棚には、ライオンの上に乗った弘法大師みたいな感じのお坊さんの、高さ一メートルくらいの立派な置物が置かれていました。その間にはちゃんとテレビもありました。お庭はきれいに手入れのされた枯山水で、お庭に面した板の間のテーブルと椅子は、年代を感じさせる木作りの調度でした。次の間にはうちの近所の呉服屋さんにあるよりももっと大きな姿見の鏡がありました。次の間との間の四面の襖は、やはりそれぞれ金箔地に厩につながれた四頭の馬と、その上に四種類の植物が配された組絵でした。あまり立派なので、開け閉めするのに触ってもよいのかしらとためらわれました。

実際、後で聞いたところ、いつのものか明らかではないけれど明治よりも後のものではないとのこと。お坊さんがそのような贅沢なお部屋で暮らしていたということではなく、宿に泊まった方の寄進によるもの、とのことでした。中世から江戸時代の大名などのお金持ちが、修行やお墓参りに高野山に参った時の宿として使いわれていたのです。絢爛豪華な襖絵は私達の泊まった部屋だけではなく、お風呂への行き帰りに見る廊下沿いのお部屋にはどれもこれも、いずれも金箔地に様々な絵柄を描かれた豪華な襖絵がありました。

宿坊というのは最近になってお寺が一般人を泊めて下さるようになったのかと勘違いしていました。そうではなく、もともと遠路お参りに来る人々を泊めるために、あのように沢山の部屋が作られていたようです。高野山には第一級の人たちがお参りしてきたので、お部屋も第一級のものとなったようです。

朝は7時から勤行、自由参加とのことでした。娘は行かないというので私だけ参加させて頂きました。薄暗い中、蝋燭だけの明かりで、鉦やシンバルのような音が時々入って、4、5人のお坊さんがお経を読まれます。ご本尊はよく見えませんでした。外国人が泊まることもあるからか椅子も多数用意されていて、正座せずに参加できます。私はストーブのすぐ横の椅子に座りました。後で出かける前に、娘が朝参加しなかったのでご本堂を見せて頂けますか、とお願いしたところ、快く娘にも見せて下さいました。すごいね、と言っていました。

京都に行った時には智積院に泊まりましたが、朝の勤行は確か6時半で必ず参加、正座で、宝物の説明があり、お経とお茶菓子と手ぬぐいのおみやげがありました。持明院さんは勤行のおみやげはありませんが、智積院さんよりも泊り客の自由に任せて下さる感じです。






食事はお部屋で、絵の前でテレビでキムタクの追っかけをしながら。





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Last updated  2007.01.07 16:54:05
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