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カテゴリ:医者稼業
連日の猛暑。節電しなくちゃのプレッシャーがかかってくるマスコミ報道。
毎年、熱中症で転がり込んでくる常連の高齢者の皆さんは、意外にも踏ん張っています。「シワ見て、ベロ見て、シッコ見て。」と長年わめいてきたことが、介護にあたる方々に浸透してきたのか、連日の報道が注意を喚起しているのか、まあ、ヤレヤレではあります。 ところが、普段は病院とは無縁の『元気で仕方がない』ようなヒトたちが危ないのです。ちょうど、町の健診シーズン。今年は検尿でウロビリノーゲン(おしっこの色素です。)が異常に強い反応を示すヒトが多いのです。特定健診の項目は尿は糖と蛋白だけなので、ウロビリノーゲンはおまけで見ているわけなのですが、おしっこが濃くなってるなと察せられます。脱水症の始めの所見の一つです。「健診のときも、絶飲食なんてしなくていいからね。特に夏はね。帰る前に、売店でお茶買って飲んでね。」などとのたまうことになります。自覚症状が出る前に対処するにこしたことはありません。 でも、これくらいでは済まないことも。屋外で肉体労働をしている元気なはずの20代の若者が「気持ち悪い」と受診。血液検査をしたらヘマトクリットが70%!通常の2倍もの血液濃縮状態です。「よく生きてますよねえ。」と緊急コールしてくれた検査技師さん。「お金が無かろうが、なんだろうが帰しません。しばらく入院してもらいます。病院に来るのが半日遅かったら、あの世行きですよ。就労中なら労災事故になりますよ。」と雇い主を脅かし(でも本当に、こういう風に急死しているヒトが少なからずいるのですもの。)、バンバン点滴して翌日には危機は脱しました。良かった良かった。 若くて血管や心臓の状態がいいから助かったけど、これがメタボの中年だったら、高い確率で心筋梗塞や脳血栓症を併発していたことでしょう。メタボじゃないヒトでも急性腎不全に陥る確率も高いです。 熱中症は本当にコワイ!適切な水分補給と休息は大切です。頑張りすぎてはいけません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.16 19:37:02
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