<エステ店>3社に6カ月間の新規勧誘停止を命令 経産省
経済産業省は8日、目的を隠したまま強引なキャッチセールスをしたうえ、事実と異なる説明をしたとして、東京・大阪・福岡などでエステ店を経営するヴィーナスグループ(半田卓・代表取締役)の3社に対し特定商取引法に基づき、新規勧誘・契約を6カ月間停止する命令を出した。現在契約中の客への事業は継続される。国によるエステ業者への業務停止命令は初めて。業者側は同法違反について認めていないという。
経産省によると、3社は「ソシアル」「ヴィーナス」「シャラ」「ソルリオ」などの名称で、美顔・脱毛を主に全国で21店舗を経営。渋谷などの街頭で通行人に「アンケートに答えて」「今なら1回1000円でエステを受けられる」などと事実と異なることを告げ、断られているにもかかわらず近くのビルの上階にある営業所などに強引に連れて行き勧誘していた。
紫外線を当てた「肌チェック」の際には、顔が描かれた絵にシミ部分と称して色を塗っていき「毛穴が開いていて角質の汚れが取れていない」「25歳までにやらないと手遅れになる」と同社マニュアルに基づき事実と異なる説明を繰り返し、不安を抱かせて契約していた。
同グループは年商13億円で中堅規模。20~30代の男女を中心に年間で約3000件の新規契約があり、費用は1年契約で1人30万~70万円。解約を巡るトラブルも含め年間200件ほどの苦情が全国の消費生活センターに寄せられていた。同省消費経済対策課は「エステ業界は成長産業であると同時に年間1万件を超える苦情が寄せられており、業界への警告でもある」としている