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カテゴリ:国内トピックス
柏崎刈羽原発停止1カ月 猛暑…深刻な需給 電力確保に四苦八苦
新潟県中越沖地震の発生から16日でちょうど1カ月。地震で運転停止になった東京電力の柏崎刈羽原子力発電所では、16日から原子炉内部の検査に向けた設備の詳細点検を始めるなど、ようやく復旧に向けて動き出す。ただ、運転再開のめどは見えず、電力需給にも大きな影響を与えている。 東京が今年最初の猛暑日(最高気温35度以上)となった10日。電力需要が想定以上に高まり、東電の担当者らが対応に追われた。午前中から電力需要が急増し、午後1時には想定最大需要を当初の5750万キロワットから6000万キロワットに修正。急遽(きゅうきょ)、東北電力に追加の電力供給を求めたほか、火力・水力など発電所の出力を法定限度近くまで引き上げ、供給余力を約170万キロワット積み増した。 企業の夏休みが明け、工場が一斉に稼働する20日からは最大6110万キロワットの需要が見込まれる。一方で供給力を下支えしていた福島第1原発3号機が今月20日から点検のため停止、最大供給力は現在の6267万キロワットから6207万キロワットに低下する。「場合によっては、福島の点検を再度先送りする必要もある」(東電関係者)というほど電力需給は深刻だ。 柏崎刈羽原発停止の影響は、数字上も明らか。電気事業連合会が15日発表した原発の設備利用率(稼働率)によると、東電の原発稼働率は54・6%。前年同月に比べて25・6ポイントも低い水準に落ち込んだ。 このため、東電は8月分として火力・水力の増出力運転などで208万キロワット、他電力からの供給で166万キロワットを確保。さらに自家発電の余剰分も70万キロワット購入することも決めた。データ改竄(かいざん)問題で停止中の塩原水力発電所(90万キロワット)を「緊急時のみ」の条件で利用許可を得たり、廃止していた横須賀火力発電所の2号ガスタービン(14・4万キロワット)も9月上旬に再開するなど「あらゆる方法で電力を確保する」(広報部)と急場をしのぐのに懸命だ。 ただ、柏崎刈羽原発は再開の見通しがまったく立っていない。需給難は長期化する可能性が高まっており、早くも来夏以降の需給を懸念する声も出ている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年08月16日 23時35分53秒
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