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下手な探偵ごっこは止めよう=香川3人不明事件の「犯人視報道」問題
「普通電話しない?(略)警察署に行って届け出てる。普通だったらそのまま電話しないかねぇ?」と被害者の家族を犯人視発言したみのもんたの番組ホームページ【PJ 2007年11月29日】- 香川県坂出市の祖母と孫娘2人の計3人が行方不明になっていた事件は、祖母の義弟が犯行を認め、逮捕された。県警は共犯の存在をまだ否定していないが、容疑者自身は単独の犯行だと供述している。 当初、被害者の父親を犯人として疑う風潮があった。女優の星野奈津子さんは自分のブログに、「あれは絶対父親の仕業だよ!」「父親がいい!あんだけテレビで証言してるけど、実は犯人でしたって捕まるのが見たい!」という家族との会話を書き込んで、所属事務所から1年間の活動停止処分を申し渡された。みのもんた氏はTBSの番組内で父親の行動に疑問を呈し、「普通電話しない?(略)警察署に行って届け出てる。普通だったらそのまま電話しないかねぇ?」と被害者の家族を犯人視しているとも受け取れる発言をしている。 「実は犯人でしたって捕まるのが見たい!」とは、とんでもないことを星野さんは書き込んだものだ。血だらけの室内を見るという異常事態でも、みの氏なら警察にすぐ通報するというのだけれども、気が動転して“普通の行動”が取れるとは限らないではないか。まず付近を捜してみるのも普通の行動だと思う。 いずれにしても、被害者を慰め励ますのではなく、返って苦痛を与える不用意な発言をしたことは看過されていいものではない。義弟の単独犯行だと明らかになったら、父親を犯人と疑った、あるいは示唆したメディアは、父親に正式に謝罪すべきだ。星野さん以外にも、名指しで犯人呼ばわりしているブログを見かけたが、“予想”をはずした人はどう始末をつけるのだろうか。そのようなブロガーは星野さんにならって活動を自粛されたらよかろう。 無責任な推理が横行する背景には秋田県の、わが子を殺(あや)めた事件などの影響があるのだろうが、むやみに人を疑うものではない。捜査状況のすべてを知っているわけでもないのに犯人を予想するのは、観測データをろくに見もせず天気予報するようなものだ。また、予想が当たったとかはずれたなどというレベルの話ではなく、名誉毀損や人権侵害にも該当しかねないということを知るべきだ。それは個人のブログであっても、公開するからには当てはまることだ。 いくら乱れた世の中になったといっても、自分自身まで感化されないように気をつけたほうがよい。家族が家族を殺める事件があっても、「またか」とか「やっぱりあの人だった」などというようでは感覚が麻痺(まひ)してしまっている。それよりも「ええ? 信じられない」というほうが人間性があるではないか。下手な探偵ごっこはもうやめるべきだ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年11月30日 08時30分22秒
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