「旺角黒夜(ワンナイト イン モンコック)」★★★☆
香港、旺角(モンコック)は、ヤクザの発砲事件なども実際に起こる混沌とした下町。ある夜、小さないざこざは組同士の対立へと発展し、ボスの息子が殺されてしまう。息子を殺されたボスは報復のため、殺し屋を雇う。一夜に様々なドラマが生まれ、偶然の出会いが悲劇を生んでいく香港の犯罪ノワール。 本作は『カンフーハッスル』『2046』などの大ヒット作をおさえて香港三大映画賞の監督賞を受賞。成功を夢見て大陸から出稼ぎに来た娼婦、純真な心を持つ殺し屋の青年、貧しい同郷出身の2人が出会う大都会、香港。黒社会の抗争、警察内部の軋轢など、目新しい設定ではないけれど、登場人物がそれぞれに抱える人間ドラマが絡み合い、必然的、偶発的な事件へ巻き込まれていく。ロケ地といい、設定や出演者といい、『PTU』との共通点は多い。香港らしく、何か食べてるシーンが多くて楽しい。(エッグ・タルト、屋台の牛肉麺、食べたーい)でも、こちらはお笑い無しでシリアスな展開。特にラストが切なかった~。香港映画、やるなァ~!と見直します。香港映画だって、やれば出来るのよ。(ご都合主義で、ツッコミたい場面もあるけど)カタルシスっての?映画を見たなあーって気がします。昨日の「亀は意外と・・・」は“そこそこ”の日常だったからネ。1時間半もかけて、大森まで見に行った甲斐がありました。大森のSEIYUはショボかったけど、1,000円以上買物したら映画が1300円になるって知ってたら、買物したのに~。「キネカ大森」は(隣のインド料理店の香り漂う)とても小さな映画館。入り口には“香港明星迷”向けのグッズがあれこれ売ってました。写真集に香港スターの芸能雑誌、ポストカードに生写真(久しぶりにアーロン見た~)、香港明星追っかけ漫画の本、壁には本作のロケ地レポ。シーン別に詳細な写真入り。←マニアの香り。主演のダニエル・ウーはモデル出身で身長180cm。ちっとも(大陸から出てきたばかりの)ダサイ田舎者に見えまへん。黒ブチ眼鏡だって似合っちゃう。彼と行動を共にする娼婦役にセシリア・チョン。スレンダーな体に、商売がらミニスカート、網タイツにラメのキャミソール。『いくら稼いだ?』と聞かれて『1回360HK$(約5000円)、3週間で8000HK$(約11万5000円)』『私の命なんて安物よ』と言うセリフも、ちっとも汚れた感じがしなくて、ハスキーな声と赤いコートがカワイかった。おまけ登場人物の一人、過去の事件の影を落とすミウ警部(アレックス・フォン)は(とっても美味しい役)イー・トンシン監督が、製作&脚本で参加した『ダブルタップ』に登場するミウ警部と同一人物という設定で、本作はその続編的な位置づけでもあるという。 『ダブルタップ』見てない!見なくちゃ!でも、亡くなったキューピーちゃんが主演なの、悲しい・・・。