|
カテゴリ:韓国で暮らす
今年も6日ヒロシマ、9日ナガサキが近づいてきた。
日本の「原爆文学」といえば、原民喜『夏の花』、峠三吉『原爆詩集』、林京子『ギャマン ビードロ』・・・これらは、教科書にも取り上げられてきた。 そのほかに、井上光晴『明日』、井伏鱒二『黒い雨』、漫画では中沢啓治『はだしのゲン』、絵画では丸木位里・丸木俊夫『原爆の図』・・・ 韓国語に翻訳された原爆文学は無いが、韓国人の原爆詩『リトルボーイ』が翻訳出版された。 リトルボーイとは、ヒロシマに投下された原爆のコードネームである。 「〈ヒロシマ〉というとき 〈ああ ヒロシマ〉と やさしくこたえてくれるだろうか 〈ヒロシマ〉といえば〈パール・ハーバー〉 〈ヒロシマ〉といえば〈南京虐殺〉 〈ヒロシマ〉といえば 女や子供を 壕のなかにとじこめ ガソリンをかけて焼いたマニラの火刑 〈ヒロシマ〉といえば 血と炎のこだまが 返って来るのだ」 と歌ったのは、栗原貞子さん またもや、8月15日に靖国参拝をほのめかす小泉首相 <靖国>といえば <A級戦犯合祀> 国の指導者が誤った同じ道を進むのを恐れるのは、 中国、韓国だけではない。 日本の国民の中にも存在する。 戦没者への追悼や不戦の決意は、国際社会の中で理解の得られる場所で行うのが、かつて日本が被害を与えた国々への真心ではないだろうか。 栗原さんの詩は次のように続く。 〈ヒロシマ〉といえば 〈ああ ヒロシマ〉とやさしくは 返ってこない アジアの国々の死者たちや無告の民が いっせいに犯されたものの怒りを 噴き出すのだ 〈ヒロシマ〉といえば 〈ああヒロシマ〉と やさしくかえってくるためには 捨てた筈の武器を ほんとうに 捨てねばならない 異国の基地を撤去せねばならない その日までヒロシマは 残酷と不信のにがい都市だ 私たちは潜在する放射能に 灼かれるパリアだ 〈ヒロシマ〉といえば 〈ああヒロシマ〉と やさしいこたえが かえって来るためには わたしたちは わたしたちの汚れた手を きよめねばならない (『ヒロシマというとき』一九七六年三月) 以下は、『中央日報』より転載 **************************** 韓国原爆敍事詩、日本で出版 広島原爆事件で犠牲になった朝鮮人を哀悼した高炯烈(コ・ヒョンリョル、52)氏の詩集『リトルボーイ』が日本で2日、翻訳出版された。 詩専門季刊誌を出版する日本のコールサック(COAL SACK)社は5日午後2時30分、広島県立生涯学習センターで『リトルボーイ』日本語版出版記念会を開く。高炯烈氏もコールサックの招請でイベントに出席する。 6日は56年前、広島に原爆が落ちた日だ。『リトルボーイ』は8000行を超す超大型敍事詩で、光復50周年である1995年、ソウルで出版された。差別と貧乏に苦しんで原爆に犠牲となった在日韓国人少年、キム・ジュンフィが主人公だ。原爆問題を扱った韓国詩人の詩が日本に紹介された初めての瞬間だ。そしてコールサックは今年の2月、単行本の出版を決めた。「『リトルボーイ』の内容と分量が日本の詩人の原爆を素材とした文学より断然圧倒的」(鈴木比佐雄コールサック発行人)だったからだ。 翻訳は韓国翻訳家韓成禮(ハン・ソンレ、50)氏が担当、表紙デザインは本多寿氏、1千部印刷された。出版記念会には日本の主要詩人たちも参加する。 高炯烈氏は「韓国と日本が力を合わせて広島で『リトルボーイ』を出版したということは非常に意味深いこと」と所感を明らかにした。 ソン・ミンホ記者 2006.08.03 09:27:50 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[韓国で暮らす] カテゴリの最新記事
|