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カテゴリ:韓国で暮らす
かつて日本でも問題になった「単一民族国家」という考え方が、韓国でも問題視されている。
これは、韓国社会が急速に国際化していることの証左でもあるだろう。 日本の場合も同じだと思われるが、教育や社会制度などの面で、韓国らしい柔軟かつ、早急なシステムの構築が望まれる。 それ以上に、「単一民族国家」という時代遅れで誤った考え方を持つ人々が、同じ人間としての人権意識に目ざめていかなければならない。 私も韓国で生活しながら、中国やベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ロシアやウクライナ、カザフスタン、バングラディシュやインド、ケニアやニジェール、オーストラリアやカナダ、アメリカ、ベネズエラなど、多様な国々の人々に出会った。 労働者として来た人やその家族と、韓国人の配偶者として来た人、そして留学生に分けられるだろうか。 外国人の側も、ゴミ出しなど、身近な基本的なルールを守りながら、互いに歩み寄る努力が必要だろう。 日本に行った留学生が日本のゴミ出しの細かさにまいったと言っていたのを思い出すが、韓国でもゴミを細かく別けて出さなければならない。 異なる文化を見下したり、尊大にならないように尊重し、理解しようという態度も、お互いに必要だ。 そんな寛容さが求められる。 さらに、人間としてお互い愛し合うこと、これが一番大切だと思う。 地域住民と外国人の対話や交流の場などを提供するNGOなどもあったらいいと思う。 この点では大学も、ある程度貢献できるはずだ。 以下は、『中央日報』の「社説」より 社説 国連も懸念する“単一民族国家”観念 韓国社会が思わず使って来た‘混血’という用語に国連が異議を申し立てた。「‘純粋血統’と‘混血’のような用語と一緒に人種優越的な観念が韓国社会に広く広がっているというところに注目する」と国連人種差別委員会(CERD)報告書がおととい指摘した。 人の肌は黒、黄、白など多様なのに特定の色だけ“肌色”と呼んでいたのを“あんず色”に変えたのがわずか2年前だ。それほど我々は人種差別問題に鈍感だった。国連報告書は単一民族神話と閉ざされた民族主義に陥った韓国社会に向けた痛恨の忠告だと受け止めなければならない。 韓国社会が単一文化圏で長い間共同体生活を続けてきた上、外侵に対する抵抗の過程で“単一民族”観念が有用だったのは事実だ。しかし今は国内居住外国人が100万人になり、農漁村男性10人のうち4人が外国人女性と結婚する時代だ。何年後かには農漁村小学生の4分の1が国際結婚夫婦の子供で占める見通しだ。 現実ともふさわしくなく、たびたび差別と暴力につながる単一民族観念はもう見直す時になった。すべて文化の時代に合わせて教育・医療・言語・福祉などすべての面で社会システムを補わなければならない。各学校の教科書も関連内容を修正・補強するのが望ましい。 国連報告書は人種的な動機から起こった刑事犯罪に対する法的措置も韓国政府に勧告した。国内外国人女性配偶者と移住労働者が差別・虐待に遭っているとして対策を促した。政府はこの際、推進中の“差別禁止法”の制定を急ぐ必要がある。 しかし人種差別を阻む根本的なカギはやはり一般国民の認識向上による。イスラム圏国家から来た労働者に豚肉が入った食事を強要して裁判所から損害賠償判決を受ける今日の水準では“人種差別国家”という汚名からは脱却しにくい。 2007.08.20 06:44:27 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.08.21 17:35:47
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