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2008.07.26
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カテゴリ:韓国で暮らす
大学の現状は、まだまだ、「質より量」の時代を抜けだせていない感じだが、「量と共に質も」という時代に向かい始めていることを感じる。

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【コラム】今や論文の「質」を求める時だ(上)

 構造言語学者ユージーン・ガーフィールド博士(83)の本来の専攻分野は、化学だった。1925年生まれの博士は、26歳の時に米国軍医図書館(Army Medical Library)が発注した「最新の医療論文リスト」を作るアルバイトを行い、これを機に人生が一変した。


 論文を整理する過程で、ある論文は後続の研究者から頻繁に引用され、別の論文はゴミ同然の扱いを受けている、という事実を発見した。彼は、頻繁に登場するキーワード3万語のカードを作って統計を取り、「インパクト・ファクター」と「科学引用指数」(Science Citation Index)という概念を考案した。斬新なアイデアや詳細な資料が盛り込まれた論文が後に及ぼす影響力を数値化したわけだ。


 博士は、化学の勉強を放り出してこの概念に没頭し、1955年には科学情報研究所(ISI)を設立、数多くの研究者に向け、最新の論文情報を素早く探し出すことができるよう手助けする事業を始めた。やがてISIは、物理・生物・製薬・化学などといった自然科学分野と共に、経済・社会分野にもサービスの領域を広げた。数十年にわたり蓄積した情報はウェブサイトhttp://isihighlycited.comに集約され、同サイトには世界中から研究者らが毎月450万人も訪れる。国際的に最も広く通用する最高権威の論文検索の場となったわけだ。このサイトにアクセスすれば、1981年から2005年までの著作を分析し、21の分野別に250人ずつを選出した「最も論文が引用された研究者」(Highly Cited Researcher / HCR)5000人余りの名前を目にすることができる。

【コラム】今や論文の「質」を求める時だ(下)

 ところでこの5000人余りの研究者のうち、韓国の学者は、浦項工科大の朴寿文(パク・スムン)、延世大の兪柄三(ユ・ビョンサム)、ソウル大の金修奉(キム・スボム)の3人しかいない(この3人の他にも、米国で活動している韓国人あるいは韓国系米国人の学者がおり、米国のHCR4029人の中に含まれている。しかし、中国・日本・インド・台湾出身の学者も同様に米国で活動しており、米国の大学や機関のために働いていることから、ここでは取り扱わないことにする)。これに対し日本は、HCRに名前が出ている研究者が258人、香港は16人、台湾は12人、インドは11人、中国は5人、シンガポールも4人となっている。グーグルやウィキペディアで国家別の大学数を検索してみると、韓国の128に対し日本は468で、およそ3.65倍も多い。とはいえ、優秀な論文の著者数に86倍もの差があるのは余りにひどい。日本の学者も、英語の水準は韓国と同程度なのだから、単に英語だけのせいだとも言い切れない。また台湾には大学が43校、香港には8校、シンガポールには7校しかなく、韓国より大学数が3分の1-18分の1と少ないにもかかわらず、HCRはむしろはるかに多く輩出している。


 こうした惨憺たる有様の原因は、どこにあるのか。ソウル大の金修奉教授から送られてきた電子メールには、次のように書かれていた。「韓国の経済力や科学技術の水準に比べ、余りにも少なく、とても驚かされ、心が痛みます。これまでの評価・支援システムは論文の数に重きを置いてきたため、“引用指数が高い論文”を作成することに大して神経を使わなかったのだと思います」


 しかし、希望もある。朴・兪・金3教授は、「韓国の研究条件は良くなっており、分野別の250人には含まれていないものの、ほぼそれに近い立派な学者が多く、すぐに10人、数十人に増えていくだろう」と見込んでいる。


 HCRの数は、世界の大学の順位を定める時にも参考とされる。また、これからの経済力・技術力を予測する尺度にもなる。今後、より多くの韓国の学者が、一日も早く世界水準に上り、韓国と韓国の学問の発展に大きく寄与することを期待する。


香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版






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最終更新日  2008.07.26 11:57:44
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