旅人が人生を全うすれば…
オバマの本を読むと、cry, weep, tears という湿っぽい言葉が多い。このW語(water)人間も多感な人生を歩んでいる。そして私も。歳をとっているヒマがない。私は旅人。彼の好きな言葉はjourney。Tourism(旅行)は、私、そしてオバマの性に合わない。ジャーニーは派手なものではない。柳田国男は、「旅行は行なのだ」と言い放った。旅人が人生を全うすれば、歴史になる。Journeyがodysseyと称えられる。私はあまり成功者の話を信じない。成功したと思った途端に、「残心」を怠りがちだからだ。成功の次は失敗なのだ。だから人は直観的に、失敗談を聞きたがるのだろう。「私は昔から英語が好きで好きでたまらなかった…だから英語で苦労したことはなかった」なんて書けば、きっと、読者をシラけさせる。インターネットの掲示板で見下されて袋叩きにあうだろう。そういうリスクを回避するには、頭を低くたれることだ。