日本文化の企画展は地味なのだが、こういうのも好きなので、行ってきた事、見てきた事を報告します。
意外な発見が出来るので為になる。
今回は写真のとおり、京都五山の文化についてである。
主に鎌倉時代の作品(こう表現するのもおかしい)を取り上げていて、全くもって、ヴィヴィッドなのである。
僧侶の彫像が写実的なのである。
ヨーロッパ・ルネサンスが開花するまで後二百年は待たねばならない。
しかし、ルネサンスとは文字通り復活、再生である。
中世から古代に逆戻りしているのである。
専ら、古(いにしえ)の芸術を見直そうという話で、オリエント美術の方が凄かった訳だ。
…それはおいとこうね。
兎も角、鎌倉時代とは言え、表情が豊かなのである。
この時代に何かがあったことは間違いない。
そこで立ち止まるのはトーシロである。
日本人の思い描いていた世界観とは、仏教が元だ。
釋迦の入滅から幾年かの後の時代が丁度鎌倉時代で、その時は末法と呼ばれていた。
予定説なんかある筈ないのだが、そういう不安を抱えていたのだ。
だからこそ神仏に祈る形で物に力を込めたのだろう。
抗えない時代や状況によって人の力は遺憾なく発揮される。
今回見てきたそれは、こちらにその迫力が伝わって来そうだったのだ。