苦言を呈すれば、ちょっと後半は冗長だなあ。
アニメ版北斗の拳のレイが死ぬ前に長い間回想するのと同じだなあ。
あっさりした方がよかったのでは?
テンションが持たないぞ。
伸びきったゴムの様だ。
自宅で産もうとしても朋也は心なしか反対していた様だ。
やっぱり病院で産む事にした。
本当は病院で産む選択肢があった。
そこで用意されたシチュエーションが豪雪である。
ドカ雪が町の機能をストップさせる。
それは町と渚が呼応してるからだ。
町が生まれ変わろうとしている事は、新たな命が生まれようとしている事。
前半部分は、渚のお腹が随分とまあ大きくなっているもんだ。
クリスマスを越え、正月に春原と藤林姉妹とことみが岡崎家にやって来た。
狭い貧乏ったらしいアパートなのに家財道具は立派に取り揃えているな。
光坂電気は好景気なのか?
そりゃ開発に次ぐ開発だから仕事ないってのは嘘か。
クリスマスでも古河夫妻が訪れたがパン屋の家なのか岡崎家なのか一瞬分からなくなってしまった。
黒に戻した春原の雰囲気が変わったな。
藤林姉妹もことみも大人っぽくなっている。
登場人物の顔を少し伸ばしたデザインなのかな?
そう言えば、高町なのはも幼い頃に比べて、成長させたら目より下の寸尺が伸びているな。
春原が正月用の祝酒を持って来たのも、大人を感じさせるな。
ことみはアメリカの大学に通っていたからまだ二十代も前半だろうか。
社会人は春原と岡崎夫妻だけだ。
クリスマスを越えた時の渚の歳は22くらいか。
ことみの言う他の世界がこの物語の鍵である。
杏がことみの説明をすかさず止めたのは、理解出来ないからだろう。
春原も芳野祐介がインディーズとして再出発してCDリリースしたのを渡されてもタイトルの英文が読めぬ儘とは!
タイトルは朋也のアイデアらしい。
しかしなんだか春原本人はあまり浮かない顔をしていた。
どう思っていたのか分からない。
酒を啜ってことみの説明も聞き流しているようだったが。
大人になる、親になるってのはどういう感覚になるのかと言う春原の疑問が冴える。
朋也は春原達に言っても、渚を喪う際に後悔をしてしまう。
親になる事を捨ててしまうのか。
渚が嘗て行った演目を朋也はずっと昔から知っているかのような思いに駆られた。
ドカ雪のせいで陣痛が始まっても病院行けず仕方なく自宅出産と言うスタンスは、何かに配慮した形か?
渚がいざ産もうとした時に朋也は側にいても狭い世界に閉じ込められた感じだな。
心此処に非ず。
ただ側にある僅かな生にしがみ付き縋ろうと必死になる。
懸命となる。
汐を産んだ後の渚は精も魂も尽きた面持ちだ。
朋也の顔が歪み過ぎだ。
ただ、朋也にとっては渚を遠くにすることが余りにも辛く、堪えられないのであった。
これから起こる不安を早苗さんに宥められても、それすらも投げ出し、無念と後悔を朋也を包んでしまう。
後味悪いなあ…。