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ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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2015.12.30
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目次
「イイ」学校って? その1:背景編
「イイ」学校って? その2:4歳児クラスから6年生まで
「イイ」学校って? その3:7年生はどうする?
「イイ」学校って? その4:「イイ」学校ってどんな学校?
「イイ」学校って? その5:学校紹介フェアへ
「イイ」学校って? その6:統計や周囲の評判に惑わされない
「イイ」学校って? その7:お・ま・け

9月が新学期のアメリカは、11月から翌年の2月辺りまでが学校選びの時期となる。

我が家では、今年の9月に6年生になりミドルスクール(中学校)に通い始めた娘の翌年度の転校先を検討することになった。

ミドルスクールは6年生から8年生まで。日本で言えば、中学2年生に進級するにあたり学校選びを再度やろうとしているのだから、これは時期的には中途半端。
どうしてこんな状況になってしまっているのか。

これは、現在、娘が通っているBPS(Boston Public Schools:ボストン市公立学校区 or ボストン市教育委員会)の複雑な学校システムが大いに関係している。

このBPS独特のシステムとそれに半ば翻弄されることになってしまった娘の進学状況、そして、その経験を通じて、「イイ」学校というのはどういう学校なのか?ということについて、一人の親としての考えをここに、この時期にまとめておきたいと思う。

さて、まず初めに、BPSの複雑怪奇な?学校システムについて説明しておきたい。背景としてこれを説明しておかないと、いったい何が今、娘を含め我が家にとって問題になっているのかサッパリ分からないと思うからである(笑)。

アメリカの一般的な学校制度は次のとおりである。
Elementary School(小学校): K(キンダーガーテン)~5年生
Middle School(中学校): 6年生~8年生
High School(高校): 9年生~12年生

小学校の最初にあるKindergarten(キンダー)という学年は、9月1日に5歳(市町村によって若干違いあり)になっていることが入学条件であり、ほぼ日本の小学校1年生に当たる。日本で「幼稚園」は「Kindergarten」と英訳されることが多いので誤解しがちだが、アメリカのキンダーガーテンというのは小学校の一部であり、読み書き算数が本格的に始まり、学習内容はれっきとした小学校のそれである。

BPSの場合は、このキンダーガーテンが次の3学年に分かれている:
K2(ケーツー):5歳入学
K1(ケーワン):4歳入学、そして
K0(ケーゼロ):3歳入学
これはBPS独自のシステムなので、他市で子供を通わせている親にK2と言っても通じない(笑)。他市ではキンダーガーテンと呼ばれる学年がBPSではK2に当たる、と言うことになる。

K2からはいちおう義務教育ということで必ず入学できるが、K0とK1はクラス数が少なく、小学校によってあったりなかったりもする。

娘が小学校に入学する年齢になった時は、この複雑な制度を、しかも英語で理解するのは至難の技でありそれはもう非常に苦労した。当時、近所には日本人はおろかアメリカ人の知り合いもいなくて、情報収集はBPSのウェブサイトのみ。現在では、Countdowntokindergarten.orgという、見た目も可愛くて内容も分かりやすいウェブサイトが出来たが、当時はBPSの、いかにもお役所が作りましたという感じの、文字ばかりで味気ないウェブサイトのみで、それを必死に読むしかなかった。

その後、娘より4歳下の息子のお友達の地元ママ友の間では、アメリカの教育など全く受けたことのないガイジンのこの私が誰よりもこのシステムに精通しており、ひととおりレクチャーが出来るようになったぐらいである(笑)。

娘の時は、そもそも3歳児クラス(K0)が存在することさえ知らず募集の時期を逃してしまったため、その翌年に4歳児クラス(K1)の入学を目指して学校選びをすることになった。

そしてまたこの学校選びが一筋縄では行かない(笑)。

ボストン近郊の学校のほとんどはいわゆる「学区制」で、住んでる家の場所で通う学校が決まるが、BPSの場合は選べる学区がかなり広い。さすがに広すぎるので最近は隣町までぐらいに縮小されたが、娘の頃はもっと広くて、ボストンに土地勘がある人ならどれだけ広域なのか分かると思うが、私達は空港の近くに住んでいるのに、学区はオールストン、ブライトン、チャイナタウン、バックベイ、ドーチェスターの一部が含まれていた。4歳の子供をスクールバスでそんなに遠くまで通わせるのは現実的とは思えず、我が家のある地区で、しかもK1がある学校に選択肢を絞ることにしたのだが、それでも5校あった。
これを、School Preview Timeと呼ばれる学校見学会が実施される11月、12月の時期に各校の開催日に見学に行って学校選びの参考にし、1月~2月に願書を提出、3月にコンピューター抽選によって学校が決まる。学校は第1希望からいくらでも希望は出しても良く、希望順に順位をつける。ただし、K0とK1は定員数が少ないため、抽選に漏れることもある。たとえば息子の場合は、K0の時はどこにも入れなかった。

さて、この流れにしたがって出願し、娘に割り当てられたのは、第2希望の小学校だった。この学校を希望の上位にしたのは、
・校長の人柄に惚れた
・学校全体が楽しそうな雰囲気である
・広い校庭がある
・美術や音楽に専任の先生がいる
といったことであった。それでも第2希望にしたのは、他にEECと言って、K0から2年生までの早期教育に特化した学校があり、建物も新しく小さい子向けに設計されており、昔は実は消防署でした、工場でした、といったレンガの建物を無理やり改装しました、というような他の学校とは一線を画しており、そこを第一希望にしていたからである。でも、やはりその学校は倍率が非常に高く、娘は入れなかった。

その時は、第1希望の学校に入学できず多少がっかりしたのだが、とにかく定員の少ないK1の席を確保できたことにひと安心し、娘の学校生活が始まることになった。

ちなみに私立については、単に経済的に難しかったので(苦笑)とりあえず申し込むだけにしておいた(しかも、この学校は財政難でいきなり閉校になってしまった)。また、通える範囲にある学校がカトリック系のみであり、私はクリスチャンではないし、夫もしいて言えばクリスチャンではあるがプロテスタントの家庭に育っていること、最近のアメリカ(特にボストンのような都市)では多様化が進み、宗教に偏らない文化、教育に力を入れるという風潮のところに、カトリックのみの環境で子供を学ばせることには抵抗があった。


チャータースクールについては、当時ボストンコモンの近くに校舎のあった小学校を検討した。ただ、建物が昔は恐らくオフィスビルであったものを内装だけ変えたような造りで、閉塞感があった。また、小さな体育館スペースはあったが、校庭がなく、近くのボストンコモンに歩いて利用しているという点が引っかかった。さらに、4歳から勉強勉強と追い立てるような印象を受けた。夫と私は、学校の環境もカリキュラムも伸び伸びしたところで娘を学ばせたいと思っていたので、BPSの学校の方に魅力を感じたのである。



その2:4歳児クラスから6年生まで』 に続く






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最終更新日  2017.11.30 11:19:04



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