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ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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2015.12.30
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8年前の今頃、私はまさに手探りの状態で、娘の翌年度の学校選びのために地元の小学校を見学に回っていた。最初はアメリカ生活おきまりの Do you have any questions? と聞かれても、いったい何を質問していいのやらさっぱり分からなかったが、何校かを見学しているうちに共通点や相違点などがおぼろげながら見えて来た。

見学日は決まっているので、同じように学校選びをしているお父さんお母さんとも一緒になることが出て来た。その中で、なぜかたった一人、私の中で印象に残るお母さんがいた。

分からないなりにもわが子に合った学校を選んでやりたいという一生懸命な様子が私にも伝わって来たからかもしれない。「うちの娘はアートやダンスが好きだからそういうことに力を入れている学校がいいかな、と思っているの」というそのお母さんの思いが私の中にもあったからかもしれない。

その後何度か見学会で一緒になったにも関わらず、特に連絡先を交換することもなく、その後、娘さんがどこの小学校に通うことになったのかも分からずそのままになってしまっていたのだが、その後も町のあちこちでその姿を見かけることがあった。それは市営バスの中だったり、通りの反対側だったりでゆっくり話す時間もなく、頻度もまちまちで、見かけるたびに「どうせこちらのことは憶えていないだろう」という思いは募るばかりで、どんどん声をかけにくくなってしまった。

すると、おりしも数ヶ月前の娘の受験日の朝、受験校前の長い列のすぐ後ろにその親子が並んでいたのである。娘さんの着ていたジャンパーの旨には、大学進学率を高めるための学業支援をすることで有名な非営利団体の名前が刺繍されていた。きっとこの親子も勉強を頑張ってこの日を迎えたのだろう。今日こそは思い切って声をかけてみようかと思ったのだが、私自身、受験をする娘のことが気がかりで落ち着かず、またその機会を逃してしまった。

もうこのお母さんと話すことはないだろうと諦めていた。

ところが、その後の学校紹介フェアで、また見かけたのである。今日は特に緊張する場でもないし時間もたっぷりある。今度こそ話してみなければと思った。

もちろん相手は私の事を憶えていなかった。
でも、8年前と代わらず穏やかな笑顔で私を迎え入れてくれた。
娘さんはそのフェアにも参加していたカトリック系の学校に行っているとのことで、その宣伝用のチラシを渡してくれた。そして、お互いにGood Luckと言い合って別れた。

子供の学校選びは選択肢が広いと逆に悩んでしまいがちだ。そんな中で、少しの間でもその難しいプロセスを共有した仲間として、私はそのお母さんのことをこれからも忘れないでいたいと思う。

そして、これからも学校選択の時期が訪れたら、このプロセスを丁寧に繰り返し、親子ともに手を取り合って悔いのない選択をして行きたいと思う。





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最終更新日  2015.12.30 09:37:41



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