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カテゴリ:保険の話
昨日、NHKの「ためしてガッテン」と観ていると、“薬も減塩も効かない!?急増する謎の高血圧”と題した番組が放映されていました。
内容はリンクに委ねるとして、番組内でドウターが言っていたことに反応してしまいました。 「この病気は手術で治せます。入院は5日から7日程度で、費用は健康保険の三割負担で20万円ほど」とのことです。 私はこの「20万円」という数字に思わず反応してしまいました。 治療に20万円もかかるとなると、かなりの出費だと思いますが、どのように感じられるでしょうか? でも実際には、これほどお金はかからないのです。 健康保険の制度には「高額療養費制度」なるものがあり、1ヶ月の自己負担額に上限が設けられているからです。 この上限額は所得によって変わってきますが、多くの一般的な世帯では次の計算式で、その額を計算できます。 80,100円+(医療費-267,000円)X1% = 自己負担額(月額) 上の例でいえば、医療費が三割負担で20万円かかるわけですから、上記計算式の医療費のところに、20万円を当てはめると、 80,100円+(200,000円-267,000円)X1% = 80,100円 となります。 たとえ100万円かかったとしても、 80,100円+(1,000,000円-267,000円)X1% = 87,430円 となります。 これらが1ヶ月の医療費の上限額です。これを上回った部分のお金はかからないのです。 まぁ、ざっくりと「9万円」という数字を覚えておくとよいでしょう。 1ヶ月30日として一日あたり3,000円の負担でよいわけです。 ただこれは、保険が適用される部分だけですので、保険外である食費(約780円/日)や差額ベッド代は含まれていません。ちなみに差額ベット代というのは、大部屋である6人部屋以外の病室を希望された場合にかかる費用です。 では、上限を超えた部分に関して支払わなくても良いようにするには、実際の手続きはどうすればよいのでしょうか。 国民健康保険に加入の方は市町村の国民健康担当課。お勤めで社会保険に加入の方は全国健康保険協会、または健康保険組合に「限度額適用認定証」を発行してもらいます。 このように申請しておくことで、上限を超えた治療費に関しては、払わなくて済むようになります。このため退院時には大きなお金を用意する必要がなくなるわけです。 ところで、保険会社の医療保険のCMやチラシ等々を見ていると「入院すると大きな出費が生じます。入院一日あたり1万5千なにがしが掛かります」といった煽り文句をよく見ます。 さすがに最近ではこの「高額療養費制度」のことを謳うことが多くなったと思われますが、それでも小さな文字で書かれたりと、あまりこのことを大きく全面に出すことはないと感じられます。 それは、医療保険への加入を促すこと、そして入院時における日額の保障を多くすることで保険料収入も上がり、保険会社にとっては有利に働くからです。 でも保険を買われる方は、ここで上げたような情報を知ることで、どれくらいの金額を設定すれば良いかの判断材料になり、賢い選択ができるようになるかと思います。 少し追記をすれば、先程の上限額は70未満の方が対象です。70歳以上になると上限額はさらに低くなり44,400円となります。一日あたり1,440円。(こちらも所得によって変わりますが多くの一般世帯の場合) こう考えると医療保険には、一般消費者には見えづらい、様々なカラクリが見えてくるようになるかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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