初めてのお焼香
さて、日曜日はミスターのほうの法事があった。そこで私は生まれて初めてお焼香というものを体験した。私の実家は父方も母方も両方神社、親戚はみーんな神主かその家族、なので当然誰かが死のうが生まれようが結婚しようがオール神式なわけで、加えて外で働いたことのほとんどない私は仏式の葬式に出なければならないようなことは今まで一度もなかったのだ。また、ミスターの家って冠婚葬祭に関して「夫婦のどちらか出ればいい」というスタンスなので今までもお葬式とか法事とかミスター一人で行くことが多かった。で、この度の法事にも、お義母さんからは「◯◯(私)ちゃんは来んでもええよ」と言われたが(悪意からではなく)いつもそういうので日曜日離れ離れになるので「いや◯◯◯(ミスター)さんが行くなら私も行きたい」と言ってみたら「そんならどうぞ」ってことで晴れて夫婦そろっての参加となったのだ。(なんだか。)前置きが長くなったがそういうわけで私はお焼香というものの仕方が分からなかった。それで、順番が来るまでにミスターに「あのやり方教えて」と小声で言った。そしたらミスターは「右のをつまんで左に移す。2~3回。 最後にひとつまみ食べる」と言った。「え!食べるの・・?」「そうじゃ。」「・・・」すごくイヤだなーと思ったけどみんなやってるのなら仕方ないと思った。それが供養になるのなら。絶対あんなん苦いよな~、いやだな~。ドキドキしていた私に、しばらくしてミスターが「うそじゃ」と言った。「おめー、知らんのんか、あの有名なサンコンの話を。」と言われた。オスマン・サンコンが日本に来て初めてお葬式に出た時、みんながお焼香で顔の前で一呼吸とまるのを食べていると勘違いしたという話、有名らしい。知らんわそんなん。なんだ、も~。食べなくてよくてほんとに良かった。というわけで、無事に初めてのお焼香もできた。50年前に亡くなったお義母さんのお母さんなので一生懸命祈りを込めた。『ミスターさんのおばあちゃん、初めまして。ミスターの嫁の◯◯◯です』と。祝詞本みたいなのも配られて、がんばって読んだが難しくてついていけなかった。かけまくもかしこき・・なら上手なのに。色即是空、みたいな文字もあってドラゴンボールみたいだなと思った。クーラーがなくて暑かった。余談だけど、祝詞(のりと)という漢字の読みが小学校高学年の時の漢字テストにでたとき私は「しゅくじ」と書いてしまった。そして「数珠」を「そろばん」と書いてしまった。当然、両方×だった。家に持ってかえって母に見せたとき「祝詞」を読めなかったことに対して怒られた。神社の子なのに恥ずかしい、と。なんか理不尽だと思ったのを覚えている。神社の子じゃなかったら怒られなかったのかと。そのあとは涼しい料理屋さんに移動してご飯を食べた。楽しかった。終わり。おまけ。法事で浮かれる私。