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2008年01月20日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 こんにちは、古木恵美子です。  (参謀会議の巻きパート1)
 いよいよ小説「毘怒羅の矢」(ヒドラのヤ)上巻の紹介も終わりに近づいてきました。
 突然、東京のど真ん中に現われました、真っ赤なドロドロしました未確認生命体M618の謎を追って、主人公の亜兼義直さんや吉岡宗平君、それに私、古木恵美子達が北海道に行きまして、そこで見た、遺跡と思われていたところが、現代の技術を遥かにしのぐハイテクの建造物でした。
 この建造物が崩れていく中、亜兼さんが持ち帰った白い箱、それと、ここで見つけた
3枚の写真の中の、小さな赤い箱の写っていた写真、これらの謎を解くことで、
全ての答えが明らかになるのですが、その謎は下巻と続いていきます。
 さて、お話しはですね、とうとう科学警察研究所の生物研究室の古賀主任と私、恵美子の昼夜の分析によりまして、このM618の無敵だと思われていました。
 青白い光に包まれていましたバリアを破る方法を発見をすることが出来ました。
 しかし、それで終らず、恵美子は未確認生命体M618、壊滅のための自衛隊の参謀会議
に呼ばれて、M618の破壊の方法を発表する羽目になってしまいました。
 今日より3回に渡ってブログに載せて見たいと思います。
 警察庁長官から連絡が入りました。科学警察研究所の上条所長が電話に出ると「参謀会議が開かれることになりました。三日後、市ヶ谷の防衛施設の、A棟三階の会議室で、十三時半より開かれる、科警研としても必ず出席するように、そこで例の実験結果について説明をしてもらうことになるが、よろしいかな」上条所長も了承しました。
 「解りました。長官」上条は古木補佐を自室に呼びまして、どう対処するか検討を始めました。
 「古木君、華元長官からの申出だが、君の考えがあるなら、聞かせてくれないか」
 古木補佐は「そうですね、まあ、古賀主任に会議で実験結果を説明してもらうのが順当では無いでしょうか」
 上条は大きく頷きまして、古木を見ると「実は恵美子君を借りたいと思うが、どうだろう」といいますと。
 古木補佐の選択肢には無い申出に、一瞬とまどいました「エ、恵美子ですか」
 「そうだが」と、上条は飄々として答えました。
 古木補佐は考え込んでしまいました「しかし、そういう場は経験がありませんから、科警研としても、失敗は許される事ではありませんし、ここは数多くの報告会で経験豊富な、古賀主任を当てるのが安全策と考えますが」
 上条は、また大きく頷いた「古木君、科警研が近代社会のあらゆる犯罪に対して、科学的検証により、犯罪撲滅、予防が主たる目的ではあるが、私にはそれと合わせて人材を育てていく大事な作業も考えなくてはならないと思っている、君も知っての通り、副所長は、警察庁からの出向のため、副所長の役職は警察庁の次長を兼務している、だから科警研一本と言う訳にも行くまい、私も、次は生え抜きの君にと思っている、また恵美子君にしても同じだ、科警研の将来を考えればこそ、今回の会議を踏み台に、大きく成長して欲しいと願う、また、必ず恵美子君なら見事にこなしてくれると信じている、そこでだ、古木くん君に科警研として万全の体制をお願いしたい」
 と言う、上条所長の考えを、古木補佐も納得いたしました。
 開会十分前には、ほぼ全員が席に着きました。そこえ防衛省大臣が副大臣、政務官、事務官、参次官らを従えて、ぞろぞろと現われました。最後に泉田首相が官房長官と共に現われました。
 泉田首相を特別総合参謀長とする会議が、山川総合幕僚会議議長より、開会の挨拶が会場に響き渡たりました。ざわついていた会場が、一瞬緊張が走り全員、次の言葉を待っていました。
 柳田陸上幕僚長が、議長より現在のM618の進行状況について求められると、
柳田は山木第一師団長を指名して、状況説明を求めました。
 山木が立ち上がり、説明を始めました「M618の進行状況でありますが、低速ではあるが確実に前進を繰り返しております、我が方の攻撃も死力を尽くして、火器を投入するが何せ敵のバリアに阻まれて、ほぼ無力に等しく、前進を食い止めることに、困難を極めております。 現在、外苑西通りをすでに越えられてしまっております。M618は、その後も勢力を増す方向で、その厚みを増しております。一般市民につきましては、
すでに、避難勧告によりまして、23区につきまして避難は完了しております」
やはり、手も足も出ずじまいの様子がよく解りました。
 此れといって決定的な対処法が出てきた訳でもなく、先行きどのようになって行くのか
不安感が漂いだしました。会場には悲壮感に似た重い空気が淀みだしました。
 いよいよ恵美子の順番が回ってきました。そしてとうとう議長より名前が紹介されました。
 「ここで、警察庁科学警察研究所、所員古木恵美子君」
 ささやきや、ため息が聞こえて来たのです。
 「科警研も、似たようなものしかつかんで無さそうだな、それで女の子が来たのだろう」 それを耳にした。恵美子の闘志に火が着いたのです。そして上条所長に言い切りました。
 「所長、やってやりますよ、いいでしょう」
 「恵美子君、思う存分やって来なさい」
 今日はここまでです。次回は続きのパート2を紹介いたします。
 

 毘怒羅の矢(上巻) 
 兼子光雄|日本文学館|2007年 11月発売
 単行本|ISBN/JAN:9784776515340
 本体価格:1200円  (税込み:1260円)
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Last updated  2008年01月20日 23時06分59秒
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