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こんにちは、古木恵美子です。 (参謀会議の巻きパート2)
いままで私が実名で出ています、小説「毘怒羅の矢」(ヒドラのヤ)上巻を紹介してまいりましたが残すところ、あと数回となりました。 科学警察研究所を代表いたしまして参謀会議に出席をいたしました恵美子がいよいよ 議長より名前が紹介されてしまいました。 しかし科警研の一所員の女性の名が会場に響きますと、明らかに期待はずれのため息交じりのささやきがざわつきました。 それを聞いた恵美子は闘争心にめらめらと火がつきました。 「所長、やってやりますよ、いいでしょう」 「恵美子君、思う存分やって来なさい」 議長の紹介がまだ続いていました「M618の弱点および」その時、また場内がざわめいたのでした、またささやき声が聞こえてました「赤い敵に弱点なんかあるのか」「無いと思うよ」議長は続けました。 「そしてM618壊滅方法についての、分析報告をしていただきます」また、ざわついたのです「壊滅方法だと、ふざけた」 「ばかばかしい、壊滅方法があるんなら苦労はしないさ」 恵美子は演台に立つと、会場を一通り見渡しました。やんちゃそうな小学生ばかりね、と思いました。マイクを持つと、自己紹介を簡単に済ませ、 そして、一気に話し出しました「先ずM618の細胞と人の細胞を比較してみますと、人は六十兆個の細胞から出来ていますが・・・・・。」 「しかも分析の結果から考えますと、延期Xは大気から元素を取り込んでいる向きがあります。特に水素の量は相当なものであります。 おそらく動力源として使っているのではないでしょうか、それもまだ推測でありますが、 しかし、バリアを張った時の塩基Xの出力は数万ボルトに匹敵する高エネルギーを有しています。」 また会場はざわめき出しました。 恵美子がざわめきを被いかぶすように、声を荒げて「ここで映像を見ていただきます」 清水君(清水 真は古賀主任の部下です)に合図を送りました。清水君は室内の明かりを落として、プロジェクターのスイッチを入れました。 暗い闇の中を光の束が銀幕に向って走って行きました。 そこに映し出された映像は、絶縁した鉄の棒を塩基Xにストレスを掛けるため近づけて行きました。M618はバリアを発生いたしまして、 鉄の棒の先端のストレスを回避するためにバリアが与えた変化を確認するものでした、鉄の棒の先端が、デジタルマイクロスコープによって拡大されて行き、銀幕いっぱいに分子レベルでの変化の映像が映し出されました。 恵美子が説明を始めました「これは、鉄の棒を当てたとき先端の、分子が分解されてしまいました現象です、自衛隊がロケット砲をいくら打ち込んでも、効果が無かったのは、このためでロケット砲自体が一瞬にして分子レベルで分解されてしまったからでしょう。 彼らは音波を当てると、音波を発して音波同士、干渉して打ち消してしまう事を計算して来ます、光なら光波で干渉を起こします。全てこのように対応してきます」ここで会場の明かりが一斉に点灯され、元の明るさに戻りました。 場内は呆気にとられ、にわかに信じがたいといった、状態が続いていました。 「では、今日の私のメインテーマでもあります、M618の破壊について話したいと思います。先ずは映像を」 会場は信じがたいといった反応でざわついていました。科警研でも、ただの所員の女の子の口からM618の破壊について説明を受けるなんて、あまりのアンバランスに非現実的に思えていたようでした。 今日はここまでです。次回も、もう一度、参謀会議の模様を紹介いたします。 ありがとうございました。 毘怒羅の矢(上巻) 兼子光雄|日本文学館|2007年 11月発売 単行本|ISBN/JAN:9784776515340 本体価格:1200円 (税込み:1260円) Amazon 7&Y 楽天ブックス e-hon クロネコブックス 紀伊国屋書店 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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