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2008年01月22日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
こんにちは、古木恵美子です。  (参謀会議の巻きパート3)
いままで私が実名で出ています、小説「毘怒羅の矢」(ヒドラのヤ)上巻を紹介してまいりましたが参謀会議の巻きをもちましてこれで終りとなります。
科学警察研究所を代表いたしまして参謀会議に出席をいたしました恵美子がいよいよ
今日のメインテーマでもあります、M618の破壊について話す機会を与えられました。
しかし科警研の一所員の女性の名が会場に響きますと、明らかに期待はずれのため息交じりのささやきがざわつきました。
いったい恵美子の発表でこの会に何が起きるのでしょうか。
恵美子が演台に上がりました。
「では、今日の私のメインテーマでもあります、M618の破壊についてお話ししたいと思います。先ずは映像をご覧ください」

会場は信じがたいといった反応でざわついていました。科警研でも、ただの所員の女の子の口からM618の破壊について説明を受けるなんて、あまりのアンバランスに非現実的に思えてならなかったからでした。それを無視して恵美子は清水に合図を送ると、もう一度照明が消え銀幕に映像が映し出されました。
半導体レーザーの青白い光が、塩基Xに向かって突き進んで行きました。会場の全員が創造も付かない次に起こるべく事を固唾を呑んで見守っていました。
突き進んで来た青白い光が、塩基Xの発光している防御用の青白い光を、光の干渉によってあっけなく打ち消してしまいました。塩基Xは無防備にも光を失ってしまい、
次の瞬間とてつもない光の爆裂で映像を真っ白になってしまいました。会場から驚きの声が上がりました。
「ウワー」そして銀幕からハオリングが消えると、ざわめきのなか、ガイガーカウンターで測定している映像に変っていました。ガイガーカウンターのレベルが映しだされて残留物が存在しない事を証明していました。そして破壊された塩基Xのアップの映像が映しだされると、会場内が興奮したように拍手が巻き起こりました。
恵美子は思う事をありのままに所見として話しだしました。
「皆様の中にも感じた方がいると思いますが、M618の核でもあります塩基Xが、超ナ
ノテクノロジーで作りだされ、防御が完璧に思われましたが、その割りに、いとも簡単にバリアを破る事が出来るなんて、信じがたい事でありました。又、塩基Xを破壊した後も残留物質が存在しない、あまりのクリーン過ぎる不自然差、又、決定的なものは防御は完璧だが、攻撃のための武器と言えるものが、確認できないこと、これらを総合的に考えても、どうも塩基X、いやM618は兵器として、開発されたものでは無く別の目的のために作り出された節を感じます」
 副大臣が無表情に恵美子を見て「現実に目を向けてくれたまえ」と釘を刺すように言いました。
恵美子は額にシワを寄せて「もちろんです」
防衛省大臣がおもむろに「他に何か問題点はないか」と聞いてきました。
恵美子は大臣に向って答えました「機材です、広拡リアルタイムサイクルアナライザー、周波数変換装置、それに、何処で開発しているか解りませんが、レーザービーム砲が試作中のものがあると聞いておりますが、
特に広拡に使用できるように改良する必要があると思います、これでM618のバリアを一気に広範囲に破る事が出来ます、そして超ナノテクの塩基Xを破壊するには電磁パルスビーム砲が効果的だと思います。出来れば自衛隊の技術研究本部で試作していただければと思います、私の方からは以上です」恵美子は大役を終え堂々と席に戻っていきました。
この恵美子の未確認生命体壊滅の発表が終りますと、いよいよ自衛隊の研究本部にてM618 の破壊のための特殊兵器開発が始まりました。
そして恵美子と吉岡君はそのアドバイザーとして自衛隊の研究本部に向かうことになります。こうして「毘怒羅の矢」下巻へと続いていきます。
はたして、この兵器が未確認生命体M618の能力に通用するのかしら?
以上をもちまして「毘怒羅の矢」上巻の紹介をいったん終了いたしたいと思います。
ありがとうございました。

毘怒羅の矢(上巻) 
兼子光雄|日本文学館|2007年 11月発売
単行本|ISBN/JAN:9784776515340
本体価格:1200円  (税込み:1260円)
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Last updated  2008年01月23日 01時25分43秒
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