テーマ:お勧めの本(7397)
カテゴリ:読書
とても心温まる物語で、誰にでもオススメできる作品です。
新潮文庫:「博士の愛した数式」小川洋子/著 交通事故の後遺症で記憶が80分しかもたない数学博士と、 彼を世話することになった家政婦とその息子。 3人の心の交流を描いた、心が温かくなる物語です。 数学のことしか興味ない老博士は、偏屈で扱いにくいじいさんですが、 子供に対してはいじらしいほどの愛情を示します。 博士の記憶は17年前で止まっていて、新しい記憶は80分しかもたない。 博士にとって、2人は毎日が初対面なのです。 そして博士は毎朝「自分が記憶が不自由である」ことを知り、 きっと毎朝ショックを受けているのです。 家政婦と息子は、そんな博士を気遣いつつ、生活の一部を共にする。 数学について生き生きと話す博士に感化され、家政婦はいろいろと数字を調べるようになる。 また、野球は「数字の宝庫」なので、博士は野球が大好きで特に江夏の大ファン。 息子はタイガースファンなので、博士といっしょに毎日ラジオで野球中継を聞く。 かくして3人は数字と野球で楽しく会話する毎日を送る。 博士は江夏が引退している事実を知らないので、 博士がショックを受けないように、 その事実を隠しながらも、毎日野球中継をいっしょに聞き、 球場にまでいっしょに行くという離れ業をやってのけるのには泣かされます。 博士が2人に披露する、素数を中心にした「数字の面白さ」も際立っていて興味が尽きません。 もし私が子供の頃にこの小説を読んでいたら、きっと数学の道に進んでいたと思います。 私は「映画」を見ていないのですが、 この作品の「心の交流」や「数字の面白さ」は、 とても映画では描ききれないと思うのですが、どうなのでしょうか。 下手をすると、とても平板なつまらない映画になってしまいそうで心配です。 今週末にTVで「映画」をやるそうなので、見るのが怖いですが、見てみようと思ってます。 DVD:「博士の愛した数式」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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