2006.06~2007.10に読んだお勧め本<1>
古い話ですが、2006.06~2007.10に読んだ本のな中から、お勧めの本を紹介します。これまでホームに書いていたものを削除するので、今回ブログ本文に残すものです。[ 吉村昭/著 ]破船:江戸時代の極貧の漁村。貧しさと天然痘の凄まじさ。淡々とした語り口だが迫力ある描写。破獄:刑務所を4回も脱獄した囚人を軸に、戦前戦中戦後の意外な刑務所事情がわかって面白い。仮釈放:刑務所で16年を過ごして仮釈放された主人公。社会変化に対応して社会復帰できるか。冷い夏、熱い夏:癌闘病の凄まじさ。著者が延命や安楽死でなく自然死を選んだ理由が書いてある。遠い日の戦争:終戦後、BC級戦犯として追われ、身を隠して生活する男の物語。雪の花:江戸時代、私欲を捨て、天然痘の予防法(種痘)を日本に広めようと奮闘した町医者の物語。総員起シ:短編集。終戦後2週間もソ連は攻撃をやめなかったなど、知られざる戦争の悲惨さに驚愕。漂流:12年間を無人島で生き延びた船乗りの物語。江戸時代の難破、漂流、遭難の多さに驚く。プリズンの満月:ABC級戦犯を収容する巣鴨プリズン。同胞を看視する矛盾に苦悩する看守の物語。戦艦武蔵:世界最大の戦艦の建造から撃沈まで。外人家に囲まれた民間造船所で秘密を守る困難。羆嵐:大正に6名の犠牲を出した獣害史上最大の羆事件。無力な警察を尻目に羆専門猟師が挑む。高熱隧道:黒部第三発電所建設、犠牲者300名。岩盤温度165度の過酷な条件に挑んだ男たち。ポーツマスの旗:日露戦争で全勝の日本だがもう戦う力はない。講和締結を図る外相。迫真の駆引き深海の使者:第二次大戦、日独は潜水艦で交流するしかなく大半が撃沈。過酷な長旅に挑む人々敵討:敵を捜し出す困難と浪人同様になる悲愴。その多くが敵を見つけられずに果てる事実を知る羆:妻殺し羆追う男、蘭鋳、闘鶏、レース鳩にかける男、数年に一度の大漁を待つ極貧村。結末虚無感天に遊ぶ:小説,思い出,取材のエピソードなど。原稿用紙10枚の超短編に挑んで人間の姿を描く21編戦史の証言者たち:第二次大戦の知られざる秘話を取材した、生き証人たちの生の声。丹念な取材の一端がわかる背中の勲章:特攻に匹敵する監視艇の存在を知った。捕虜になることを恥とする日本と、英雄とみなす米国の考え方の違いは興味深い[ 奥田英朗/著 ]---2007.01.21記事_奥田英朗の小説群~どれも面白い真夜中のマーチ:詐欺師、ヤクザ、中国マフィアが奪い合う10億円の横取りを目論む若者3人。痛快。町長選挙:伊良部先生シリーズ第3弾!読んでない人は「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」を先に。家日和:妻と夫。家を舞台に繰り広げられる人間模様を描いた6編。どれもラストは心地よい、奥田節[ 北尾トロ/著 ]裁判長!ここは懲役4年でどうすか:弁護士や検察も人間なら裁判長も人間。裁判にはまる傍聴記危ないお仕事!:超能力セミナー、新聞拡張団...知られざる仕事の体験ルポ怪しいお仕事!:悪徳興信所、競馬の予想屋、カギ師、車で融資、お寺の売買...怪しい仕事のルポ[ 吉井怜/著 ]神様、何するの…:アイドルを突然襲った病魔。白血病治療の凄まじさを知った。[ 細川貂々/著 ]ツレがうつになりまして。:うつ病がどんなものか、端的に分かる。[ 城山三郎/著 ]素直な戦士たち:東大に合格できる子を育てたいため、IQの高い男と結婚し、計画的につくった子に計画的に英才教育をする女性。果たして彼女の計画は成功するのか。振り回される家族の悲喜劇。生命なき街:組織、金、権力などに裏切られ、追われていく勇者たちを描いた初期短編集。粗にして野だが卑ではない:民間から国鉄総裁になり、私心なく、代議士に屈せず、正論を通した男勇者は語らず:下請けに無理難題を突きつける自動車会社。戦後の日本経済を支えた勇者たちの話[ 倉知淳/著 ]---2007.01.27記事_倉知淳の作品群~ほのぼのとした本格ミステリほうかご探偵隊:得意のほのぼのミステリ。唐沢なをきの挿絵もいい。本の装丁もおしゃれ。まほろ市の殺人(春):身近で起った殺人事件に巻き込まれる大学生たち。倉知淳らしい軽快ミステリ壷中の天国:連続殺人事件。犯人からの怪文書は何を意味するのか?被害者たちの共通点は?