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カテゴリ:連載小説
「・・・チラッと聞こえた話で、気になったんだけど、
先生は喜春ちゃんに幸せになってもらいたいの? それとも先生が幸せにしたいの? ・・・渡良瀬さんは喜春ちゃんを全力で守ってたよ。 喜春ちゃんも、渡良瀬さんにくるまれて幸せそうだった。 本当につつましくて、ほほえましい夫婦だったよ。 年の差があったから、渡良瀬さんは常に心配だったんだろうな。 酒に酔うといつも、俺が死んだらハルちゃんを頼むって言ってた。 だから、俺達仲間は喜春ちゃんをみんなで守っていきたいと思ってる。 だからそのマスクで誘って、一回くらいやっちゃおうかって 思ってる程度なら、もう《咲花》にも行かないで欲しい。 喜春ちゃんみたいな女は、男がたまんなくなる女なんだよ。 特に喜春ちゃんはきれいだし、どっか儚げで頼りなくて、 なのに一歩踏み込むと、凛として近寄れないようなところもあって。 俺達だっていまだにドキドキさせられる時がある。 先生が喜春ちゃんに夢中になったとしても無理ないよ。 でもね、仮に喜春ちゃんとどーにかなったにしても、 1番にはなれない。 渡良瀬さんを抜いて先生を1番好きになる可能性は0%に近いよ。 先生はそれに耐えられるか? プラス、喜春ちゃんに本気になるってことは、 夏恋も引き受けるって事だ。」 「・・・。」 「先生、アンタはまだ若いしカッコイイから、 他に女なんかいくらでも出来るよ。」 「・・・。」 「よく考えて、それでも喜春ちゃんに本気なら 俺も先生を応援するし、逆に、降りても責めないよ。」 「・・・はい。」 「ボクちゃん、全部この人の言うとおり。 ただ、ずいぶん喜春のことほめてて、なんだか面白くないけど・・・。」 「ご主人、僕ね・・・。」 ボクちゃんは、もう私ではなく恋相棒に相談し始めている。 なので私は店内を片付けながら、2人の会話に聞き耳を立てる―――。 --------------------------------- ふむむ・・・さすが大人のオトコ。懐の深さを感じます。 それにしても、なんてハードルの高い人に恋しちゃったんでしょうね! 先生の喜春さんに対する気持ちが試される時が、遠からず来るのでしょうか・・・。 今夜はちょっと寒いけど(もうすぐ6月なのに!) お膝の上だけはキララの温もりで温かいです♪ みなさんも寒暖の差の激しい日々にはお気をつけて・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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