『片想いの体温』 ~ルミちゃんの話~2
柏田君とは同じ中学で、中三の時は同じ塾に通っていた。高校受験が終わり、2人とも塾をやめてしまうと共通点が無くなった。同じクラスなのに、久しぶりに話し掛けられた。私は・・・中学の頃から柏田君が好き。次の日、私と夏恋が昼休み話していると、柏田君が話し掛けてきた。「昨日の事は解決したの?」「・・・ううん。」夏恋が昨日の、困った涙の理由を話した。私が夏恋の、毎日の放課後の状況を話した。「要は、渡良瀬の期末テスト対策をしたいわけだ。 それが店の手伝いが終わる22時以降から。 中間の点数、そんなにひどかったの?」「もう言いたくもないし、思い出したくもないくらい。」 夏恋が冗談交じりに応える。「うん・・・話を聞いたからにはほっとけないよ。 俺が見て・・・。ただし、本庄ほど勉強できないよ。」「本当に、いいの?!」「いつから?」“―― どうして?”確かに夏恋のテストは、友達として深刻な問題。誰か助けてくれたらと思ったけど。・・・それが柏田君なのは嫌!!夜、2人きりになるなんて・・・。放課後 夏恋が、今日から柏田君が来てくれると話した。「私、話したこと無いのに。 いい人だよね。」“いい人? なにそれ ――。”「いい人」という単純な表現で片付けられちゃう事に、腹が立った。「ルミちゃん、私 本当に期末テスト頑張るね。」“夏恋に、柏田君は見えてないのかもしれない。”夏恋の一言にホッとした。“2人きりになったからって・・・、 夏恋が柏田君を好きになるとは限らない。 でも柏田君は・・・。 ん、そうとは限らない。“今朝はいつもより早く通学した。いつも早く来る柏田君に、迷わず話し掛けた。「おはよう。昨日はどうだった?」どうだった?・・・って、自分で言ってて下品な質問・・・。「おっ。あいつの家、レストランなのな。 閉店した店のテーブルで勉強してたら 渡良瀬のカーチャンがパンケーキと野菜ジュース出してくれて、 なんか得しちゃったよ。 しかも渡良瀬のカーチャン、若くて美人でびっくり。」“そっか。夏恋の部屋に行ったんじゃないんだ。”「ところで勉強なんだけど、テスト見せてくれたよ。 泣いてた意味がよく分かった。・・・ま、一歩ずつだな。」「・・・柏田君、夏恋と話したことも無いんでしょ。 どうして勉強見るって言ってくれたの?」“夏恋が好き、とかタイプとか言われたらどうしよう。 朝イチ撃沈かな・・・。”「―― だって、本庄の友達じゃん。」「私の・・友達だから?」「そう。」―― 心の霧が一気に晴れて、太陽が顔を出す。 ―つづく―↓ストーリーを最初からお読みになりたい方はこちらへ。。。☆片想いの体温☆ いつも応援ありがとう!!皆様の応援を心のパワーに変えて頑張ります!