テーマ:本のある暮らし(3308)
カテゴリ:濫読道
地域情報研究所の田中 恒明さんからのご案内で、
東京アートタウン・サミットの特別企画に参加しました。 それは、旧江戸川乱歩邸の特別公開です。 もちろん、多くの同世代の方々と同様に、 乱歩作品は、わが小学校時代の愛読書。 図書館の棚の中で怪しく輝く、 怖いけれど読みたい特別な本でした。 最近、大好きな小林信彦さんの手によるエッセイを 読んでからというもの、江戸川乱歩邸が 気になって気になって仕方なかったのです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼回想の江戸川乱歩 光文社文庫 小林 信彦 (著) 540円 ───────────────────────────── 乱歩というと、人はどのようなイメージを持つのだろうか? ぼくの思い出は、時がたってしまったこともあって、 ほぼ楽しいものばかりである。(「あとがき」より) 晩年の乱歩に、二人して接したイラストレーターの弟との対談。 さらに、エッセイ、小説により、いまだ〈幻想と怪奇〉の側面 で語られがちな乱歩の実像を浮き彫りにする。 面白く、資料としても貴重な作品集! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 楽天ブックスで購入 このエッセイの中に、実弟の小林泰彦さんが記憶を元に書いた 江戸川乱歩邸のイラストがあるのです。 中でも、お二人がヒッチコックマガジンの打ち合わせなどで 乱歩先生と面と向かった応接間が印象的でした。 無粋な高層ビルやマンションに、 そしておよそ乱歩作品など読まなそうな大学生に 囲まれながら、昔の姿をとどめる乱歩邸。 曲がりくねった小道で玄関に至り、 曲がりくねった小道で応接間に至る。 今日拝見した江戸川乱歩の応接間は、 まさに小林氏のイラストのイメージ通りでした。 不思議な仮面や人形が並ぶ古い洋室。 乱歩作品と合い通じる独特の陰影や妖気を 帯びているようにも見えました。 そこで、故人のフィルムが 繰り返し上映されているのが不思議です。 今や隣接する立教大学の所有となったそうですが、 この古い家を壊すことを拒む亡霊のようにも見えました。 きっと夜中も、誰も知らないうちに 見る人の無い映画が上映され続けているのでしょう。 何か供養をしなければと感じたのか、 出口で売っていた文庫本を思わず買ってしまいました。 さて、いつどこで読むべきか。 江戸川乱歩全集(第2巻)パノラマ島奇談 ▼旧江戸川乱歩邸 http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kohoka/ranpo/ 久米 信行@縁尋奇妙 http://kume.jp/ http://t-galaxy.com/news/ http://jentle.co.jp/ http://t-galaxy.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.10.29 23:57:57
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