テーマ:社交ダンス(8679)
カテゴリ:映画のはなし
キリスト教の巡礼地として有名なのは、エルサレム、ローマ、そしてサンティアゴ・デ・コンポステーラです。
巡礼者たちの目的はさまざまだと思いますが、大好きなワーグナーのオペラでは、中世の騎士タンホイザーが、犯した罪を許してもらうために聖地ローマを目指して巡礼の旅に出る姿が描かれていました。 この映画では、疎遠だった一人息子ダニエルが、自分探しの旅で聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう途中に亡くなったとことろから始まります。 父親のトムは、息子の遺体を引き取りにアメリカからスペインへやってきました。 トムは息子の死と向き合うために、彼の遺品となった旅道具と遺灰を持って、息子に代わって巡礼の旅を始めるんです。 ピレネー山脈を超え、徒歩で約800キロの遠い旅路です。息子が40歳と言ってましたから、トムは60代か70代くらいなんでしょうね。 四国八十八ヶ所巡りにちょっと似てるかなと思ったのは、道の途中に巡礼者が泊まれる場所が用意されていたり、お接待のような地元の人たちの援助があるんですね。 それでも時には野宿したり、荷物を盗られたり、いろんな事件が起こります。 トムは、ずっとそばに息子のダニエルがいるように感じていました。 カリフォルニアで眼科医をしていたトムは、硬く心を閉ざしたまま黙々を旅を続け、要所で息子の遺灰を撒きながら聖地に向かっていました。 いろんな巡礼者がいるんですよ。出身国も様々です。 ダイエットや禁煙目的だったり、スランプから脱出したい作家もいました。 みんな目的地は同じで道は限られていますから、何度も顔を合わせるんです。 次第に打ち解けて、旅の仲間になっていくんですね。 ずっと難しい顔をしていたトムが、最後にはみんなと笑い合っているシーンが印象的でした。 『星の旅人たち』(原題:The Way)は、2010年のアメリカ・スペイン合作映画です。 旅の途中でも時々幻として登場する息子ダニエルが、父親役のマーティン・シーンによく似てるなと思っていたら、実の息子さんでした。 息子役のエミリオ・エステベスが監督・脚本・製作を務めていて、実父マーティン・シーンを主演に起用したとのこと。 心温まるいい映画でした。オススメです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/06/21 09:43:20 PM
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