テーマ:社交ダンス(8679)
カテゴリ:映画のはなし
江戸時代に数学が得意な少女がいました。
いつの時代でもいるとは思いますが、安永4年(1775年)に出版された数学書が残っているんです。 国会図書館で閲覧できるようですよ。 遠藤寛子の児童文学『算法少女』は、この史実を元にした物語で1973年に出版されました。 今日ご紹介するのは、その児童文学書を原作として2015年にアニメ映画化された作品です。 主人公は13歳の少女、千葉アキ。数学の天才でした。 師匠は父親で、算法好きの町医者。 新しい算法を学びたいと上方から江戸へやって来ましたが、算法最大流派である関流に、流派が違うとかで入門を断られて独学で学んでいます。 人情に厚く、貧乏な庶民を無料で診てあげていたので家計は逼迫していました。 江戸時代には、幾何学問題などの解法を額に記して神社仏閣に納める算額というのが算法好きの間で流行っていたようです。 アキが友達と浅草寺に出かけて、ちょうど関流に学ぶ武士が算額を掲げているところに出くわすんですね。 一瞬にして誤りに気付いたアキが、ついポロっと指摘してしまったせいで面倒なことに。 このお侍は関流トップの直弟子で、身分もそこそこ高かったのでプライドも高く、さらっと流そうとするアキに食い下がってくるんですよ。 仕方なく天才ぶりを発揮して誤りを指摘すると、集まっていた聴衆も感心して、その噂は算法家としても知られる藩主にまで届きます。 アキをぜひ姫君の算法の指南役にしたいという話が舞い込んできて、これで家計も楽になると両親は大喜び。 お城勤めになど興味のないアキでしたが、近所の子供達に無料で算法を教える塾を開く夢を叶えるためにお金が必要でしたので渋々承知します。 しかし恥をかかされた関流も黙っていませんでした。 関流の面子を守るため、算法に長けたもう一人の少女ウタをアキと御前勝負させるんです。 97分と短い映画なんですが、面白かったのでさらに短く感じました。 13歳の娘に算法書を書かせようとする父親もすごいなと思いましたね。 アキとウタの勝負も三角法とか使ったりして、レベルが高いんですよ。 最近のアニメとは全然違ったレトロ感溢れる画風も素敵でした。 おすすめです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/07/02 08:46:53 PM
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