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つまずく石も縁の端くれ

つまずく石も縁の端くれ

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2024年06月30日
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カテゴリ:アート






ちょうど新日曜美術館のアートシーンで紹介されていて
ぜひ見に行きたいなと思っていたところ、新聞に訃報が
載っていてびっくり。追悼の意を込めながら鑑賞しまし
た。私がこの作家を知ったのは、天王洲アイルにあった
巨大なゴミ箱のオブジェでした。缶ビールやら日本酒や
らの段ボール箱が折り曲げられて捨ててあって、これが
陶でできているとは!と驚愕したことを覚えています。



さてこの展覧会。1階は初期の抽象画やコラージュ作品、
シルクスクリーンなどの展示が中心です。昭和の時代を
感じる懐かしい光景の作品があったり、なかなか面白か
ったのですが、本人は、これではだめだと思い、陶によ
る作品を作り始めます。ガラスケースの奥にそんな「割
れる印刷物」の初期作品が並んでいます。

溢れる情報を永遠に保存しようと陶に写してみたけれど、
実は陶も割れやすいんだ....という情報化社会の不安を
表現しているとのこと。なるほど!と感心。



2階の会場は、そんな陶の作品ばかり。ただ陶で表現さ
れるのは、情報から空き缶や古雑誌、段ボールなどの
ゴミに変わっていきます。おまけにそれらがどんどん
巨大になっていきます。



途中で陶製の空き缶のオブジェを実際に触れるコーナー
がありました。さすが陶でできているため、かなりの重
さがあります。やはり触ってみないと分かりません。






<先日、オッペンハイマーの映画を見たばかりなので印
象に残りました>



そして一部屋すべてを使った「20世紀の記憶」のコーナ
ー。ひとつひとつに20世紀の様々な新聞記事が写し出さ
れたレンガ片。その数何と1万個を超えているとのこと。
廃墟のようです。過去の情報は実態を伴わない「記憶」
なんだなぁと思いました。それでも20世紀後半を生きた
自分には「記憶」がありますが、実体験のない若者には
どう映るのでしょうか。



入口に追悼文が掲示されていました。合掌。しっかりと
記憶に残る素晴らしい展覧会でした。(6/27)





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最終更新日  2024年06月30日 15時11分16秒
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