8月の読書
8月の読書メーター読んだ本の数:17読んだページ数:4757ナイス数:343魚舟・獣舟 (光文社文庫)の感想この作家も初読み。SF作家だということも知らなかった。「くさびらの道」、今のご時世にかぶるからとても怖い。中編「小鳥の墓」はダークな味わいがステキ。シリーズ化されているみたいなのでそちらも読みたい。読了日:08月03日 著者:上田 早夕里史上最強の内閣 (小学館文庫)の感想最後の立川談四楼の解説が書かれたのが、8年前。当時「ぼくちゃん、ポンポン痛い」と言って辞任した総理が再登板し、またもや同じ理由で辞任した今でも、この本はまったく古びていない。笑いに笑える。しかし、日本の政治はまったく成熟していない。読了日:08月05日 著者:室積 光ヴァン・ショーをあなたに (創元推理文庫)の感想フレンチレストランを舞台にした日常の謎シリーズ。明快に謎を解き明かすシェフの三舟忍。「氷姫」の重い話がよかった。ドラマ化されていたことに気づいて見ようと思ったら、ちょうどシリーズが終了したところだった。読了日:08月06日 著者:近藤 史恵芸術家たち 建築とデザインの巨匠 編 (アカツキプレス)の感想モダニズム建築のことを学ぼうと思って読んた。内容はそれぞれの人物にフォーカスしていて読みやすいが、肝心の作品の写真がなく、イメージがまったくわかない。作家自身の肖像もイラストで、写真ではないので実像がわからない。これでは著者も言いたいことを伝えきれないのではないかと感じた。自分で調べなさいということかな。読了日:08月09日 著者:河内タカK・Nの悲劇 (文春文庫)の感想精神医学か心霊現象かと読者の意識も常に切り替わり、ハラハラドキドキしながら読み進めた。でも15万の家賃が払えなくなるという経済的理由から妻に中絶を進める夫はありえない!それから夫婦の実家の対応がまったく書かれていないのは不自然。つっこみどころも満載だが全体的には面白かった。読了日:08月10日 著者:高野 和明芸術家たち 2 ミッドセンチュリーの偉人 編 (アカツキプレス)の感想前巻同様にまったく知らない作家たちはこの本だけではなかなか理解しがたく、画像をググりながら読み進めた。そんな中でもS.ニール・フジタやウィリアム・クラクストンなど、ジャズ名盤のジャケットを作成した作家を知ることが出来て収穫だった。読了日:08月11日 著者:河内タカinvert 城塚翡翠倒叙集の感想城塚翡翠シリーズ2作目。最初の2編を読んで「なんだ前回ほどの面白さはないな」とがっかりしたのですが、最終話で驚愕。まさにinvet!推理小説の読者への辛口コメントがあったり、表紙の意味が分かったり、楽しい読書体験だった。読了日:08月12日 著者:相沢 沙呼魂手形 三島屋変調百物語七之続の感想三島屋の人々の日常生活と黒白の間で語られる怪しい話との行き来が面白い。それぞれの話もどんでん返しがあって楽しい。三好愛のもわっとした挿画が物語ととてもマッチしていて素敵だった。読了日:08月14日 著者:宮部 みゆきエイリア綺譚集の感想初めての高原英理。幻想耽美SF小説集といった感じ。美しい文章で楽しい夢を見させてくれた。「林檎料理」「猫書店」がよかった。「ガール・ミーツ・シブサワ」は澁澤龍彦の評伝を幻想小説で著したもの。参考になった。読了日:08月16日 著者:高原 英理抒情的恐怖群の感想この作家2冊目。前に読んだエイリア奇譚集が不思議な感覚で好みだったので、この本にはぶっ飛んだ。最初の「町の底」「呪い田」の2編はどろどろのホラー。怖かったなぁ。「グレー・グレー」はアンソロジーで読んだ記憶あり。読了日:08月19日 著者:高原 英理神去なあなあ日常 (徳間文庫)の感想子供が神隠しにあう話。山の神様に出会う話。山は不思議なことだらけ。人間は小さい小さい。でも、そんな人間も頑張って生きているんだ。最後の祭りの圧巻のシーン。元気が出る本。読了日:08月22日 著者:三浦 しをん片手袋研究入門 小さな落としものから読み解く都市と人の感想道端に落ちている片手袋。こんな場合は?こんな種類は?と突っ込みを入れながら読むが、皆、きちんと分類されていてしっかり当てはまる。判る(分かる)=分けるということなんだなと再確認。研究書ではなくエッセイになっているので読みやすい。読了日:08月22日 著者:石井 公二真鶴 (文春文庫)の感想単行本は白地に大きく朱字で真鶴と書かれたカバーを外すと、高島野十郎の静物画が現れるそうだが、文庫本ではさすがにそんな凝った作りはできない。ざわざわとした印象につきまとわれる幻想小説。ただすべてふっきれたラストが心地よい。読了日:08月25日 著者:川上 弘美エムブリヲ奇譚 (幽ブックス)の感想怪奇幻想時代小説短編集。作家と荷物持ちの二人の道中記。その迷いっぷりがあまりにも極端で笑ってしまう。不気味な話、グロテスクな話もあったが、ラストのDVから脱出する話にはホッと一息。輪廻転生の話も面白かった。読了日:08月28日 著者:山白 朝子不忍池ものがたり――江戸から東京への感想記憶に残る一番古い不忍池の想い出は、祖母と夕方出かけて夜店で鈴虫を買ってもらったことだ。回り灯篭がきれいだったことも覚えている。そんな不忍池。競馬場があったことはつい最近別の書籍で知ったが、ウォータースライダーも明治時代にあったとは。文学から見る不忍池。唐十郎の水上音楽堂での芝居も語ってほしかった。最近ご無沙汰だが、明日当たり蓮の花を見に行こうか。読了日:08月28日 著者:鈴木 健一東京時層探検 (KanKanTrip Japan8)の感想この手の東京散歩本をかなり読んでいるが、対象の取り上げ方と美しい写真とがうまくマッチしていてかなり読み応えのある一冊だった。読了日:08月29日 著者:黒沢永紀メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション (朝日文庫)の感想著者の正体を知っていれば、この本の趣向には大感激だろう。「宗像くんと万年筆事件」の宗像くんは金田一耕助モデルでいいキャラクターだった。震災をテーマにした「トランシーバー」には泣ける。読了日:08月31日 著者:乙一,中田永一,山白朝子,越前魔太郎,安達寛高読書メーター