1月の読書
1月の読書メーター読んだ本の数:15読んだページ数:5432ナイス数:297美術ミステリーアンソロジー『歪んだ名画』 (朝日文庫)の感想米澤屋書店で絶賛されていた泡坂妻夫の「椛山訪雪図」を読みたかったので選んだ本。あっという間にものの景色が変わるミステリーでしたが、他の作品も抜群の読み応え。法月綸太郎の「カット・アウト」、松本清張「装飾評伝」、連城三紀彦「火箭」などラストに美術作品の裏に隠された愛憎が明らかになる話が好きでした。赤江瀑の耽美の世界は懐かしい。読了日:01月31日 著者:赤江 瀑,泡坂 妻夫,恩田 陸,黒川 博行,法月 綸太郎,平山 夢明,松本 清張,連城 三紀彦灼熱の感想戦後のブラジル移民の抗争については全く知らない事実だった。その抗争が戦後10年近く続いていたというのにはただただ驚く。その史実を背景に二人の若者の友情と反目を描くのだが、読んでいて辛かった。ただラストの種明かしにはちょっとがっかり。もっと壮大な結末を期待していたので。それでも読み応えのある大作だった。読了日:01月29日 著者:葉真中 顕失われた川を歩く 東京「暗渠」散歩 改訂版の感想メインストリートの裏にひっそりとした暗渠があり、その暗渠は東京中を網羅している。網の目のような暗渠を徘徊しているといつしか異界の住民と化している。そんな妄想を抱く本。写真一枚一枚が暗渠感たっぷり。本書を片手に散歩するには重いが、ここに紹介されている暗渠を実際に歩いてみたい。読了日:01月25日 著者:本田 創米澤屋書店の感想祝直木賞受賞。またまた読みたい本が増えてしまった。読了日:01月23日 著者:米澤 穂信孤宿の人(下) (新潮文庫)の感想ホラーでもファンタジーでもなかった。四国の架空の小藩丸海藩を舞台にした圧巻の時代小説だった。一言でいえば藩のお家騒動を背景にそれに巻き込まれる人々の話なんだけれども、為政者ではなく庶民の二人の少女を主人公に描かれている。それにしてもラストのスペクタクルな展開は素晴らしかった。読了日:01月20日 著者:宮部 みゆき60歳からの教科書 お金・家族・死のルール (朝日新書)の感想著者の経歴が繰り返し述べられていて、少々くどく感じました。それぞれの公式も漠然としていて、自分自身の具体的イメージに結びつきませんでした。子供が独立後の夫婦のベクトルを合わせるには犬を飼えばよいという提案には笑えました。読了日:01月15日 著者:藤原 和博孤宿の人(上) (新潮文庫)の感想やはり宮部みゆきの語り口がすばらしく、江戸時代の四国の丸海藩の日常に引き込まれる。今後、どういう展開に進むのかまったく未知数。ヒューマンドラマなのか、ホラーなのか、ミステリなのか。下巻に突入。読了日:01月14日 著者:宮部 みゆきまほろ駅前番外地 (文春文庫)の感想まほろ市、まだ出かけたことのない町田市をイメージしながら読んでいる。とにかくそれぞれの登場人物の姿に思わず共感してしまう。星の悪行にさえも。行天の闇の秘密は、多田の恋の行方は、次巻で明らかになるのか。楽しみ。読了日:01月10日 著者:三浦 しをんアナザーフェイス (文春文庫)の感想サクッと読了の刑事もの。誘拐事件のストーリーもドラマを見ているようで面白かったが、主人公が自分を呼ぶのに僕とか私とか定まらなかったりするのが気になった。シリーズものだが、本書で登場した女医や女性記者は次作に登場するのだろうか。読了日:01月08日 著者:堂場 瞬一ご機嫌剛爺 人生は、面白く楽しく!の感想書き下ろしではなく、語り下ろしということで、サクッと読めます。写真で載っていた著者の手書きの字のきれいなことに驚きました。懐かしい御茶ノ水、共感しながら読みました。逢坂剛、また読み始めようと思います。読了日:01月07日 著者:逢坂 剛バスへ誘う男の感想都内路線バスの旅(ミステリ)シリーズ2作目。今回はバス旅だけでなく、暗渠、富士塚などの街歩きネタにも広がり、とても楽しい。さらに居酒屋ネタも深めてほしい。500円のバス乗車券で一日遊べるなんて、なんと安上がりなこと。ただ謎解き自体にはさほどのことはない。読了日:01月07日 著者:西村 健サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)の感想後半、元過激派の父親が一気に爆裂し、大いに盛り上がる。母親や姉の変容ぶりも楽しい。東京と西表島の教育の在り方が全く違うのも興味深かった。普天間のことも思い起こしながら読んだ。読了日:01月05日 著者:奥田 英朗サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)の感想小学6年生の主人公。だんだん厄介な事件に巻き込まれていくのだが、子ども目線で彼を取り巻く環境がうまく描かれている。破天荒な両親と西表島への生活となる下巻が楽しみ。読了日:01月04日 著者:奥田 英朗あの家に暮らす四人の女 (中公文庫)の感想木暮荘物語は世田谷代田。こちらの舞台は杉並区の善福寺川沿いの住宅地。まさかカラスや父親の霊などが登場すると思わなかったが、大いに笑って、ちょっとしんみり。「あの家」が見えるようだ。でもJR阿佐ヶ谷駅まで20分かけて歩くなら、東京メトロの南阿佐ヶ谷駅を利用した方が半分ですんで近いのにと、土地勘があるだけに思ってしまうのでした。読了日:01月03日 著者:三浦 しをん日本迷信集 (河出文庫)の感想読み応えのある本だった。1965年当時に残る迷信。今も残るものとそうでないものと。カラスの鳴き声や茶柱の話題から、占い、タブー、まじない、憑きもの、幽霊、人魂、生き血・人肉食、そして鬼門や様々な暦の話など興味は尽きない。そういえば、自分も小学生時代にこっくりさんに夢中になり、幸福の手紙を書いたことを思い出した。結局、迷信・俗信はいつの時代になってもなくならない。さて近所の神社とお寺に初詣に行こう。読了日:01月01日 著者:今野圓輔読書メーター