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N郎♪音汰。(楽天ブログ)

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N郎♪

N郎♪

2006/12/05
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以前ブログに書いたように、いわゆる”東電OL殺人事件”について興味を持ったのは、渋谷の書店でたまたま立ち読みしたこの本の記事がきっかけだった。

takara.JPG

昭和・平成日本「怪死」事件史
“疑惑の死”から見える 日本の「闇」と「タブー」

宝島社
雑誌:66081-68
ISBN:4-7966-5355-4
2006年7月1日発売
定価840円


”東電OL殺人事件”の記事について、正確な内容が知りたくて、この本を同じ書店で購入していた。”東電OL殺人事件”に関する記事は、風俗系文学作家・酒井あゆみ氏へのインタビューを、ライターの沼清氏がまとめたものだ。

あらためて読み返し、よく出来た記事だと感心した。”東電OL殺人事件”に関する記事は6ページしかないのだが、その6ページの中に、酒井あゆみ氏の視点を通した被害者女性のイメージや、沼氏によるゴビンダ冤罪説の解説など、事実に正確に書かれていて、コンパクトにまとめられてる。

酒井あゆみ氏は、自らもホテトル嬢など風俗の経験があり、現在その経験を活かしてライターとして活躍中なのだが、そういった彼女ならではの視点でインタビューに応えており、虚飾なきコメントに感心させられる。

風俗をやっていると、お金が減るのが恐くなる。自分を守ってくれるもの、孤独を埋めてくれるものがお金だけになってしまうからです。

・・・(中略)・・・

セックス依存症・・・・・・。風俗で働いているだけで、そう見られてしまうことに驚きます。私見では、風俗業界に入る女性は、どちらかとえいば男性経験が少なく、恋愛も器用じゃない子が多数派です。

・・・(中略)・・・

風俗をやっている限り、客の数をこなすのが女としてのプライドです。彼女が安い料金で客や場所を選ばずにセックスしたのも、そのためだったように思います。たとえ客であっても、求められる相手が少なくなるのは、女として寂しさを感じないわけはないんです。


そして最期に酒井氏は次のように被害者女性の感性を分析している。

事件以来、『あんなエリート女性でもこんなことをやっているんだ』と、風俗に対する見方が変わっていった。そして現在、昼の仕事を持ちながら風俗でも働いている女性には『自分が特別な場所に身を置いていることが嬉しい』と思う感性があるように感じてしまいます。これまで私は風俗で働く女性を数多く取材してきましたが、その中には、高校教師とホテトルの二重生活をしている女性がいました。彼女は二つの顔を持つことで精神的なバランスが保てていると言います。東電OL殺人事件の被害者にもそういう感覚があったのではないか・・・・・と今は思うようになりました。


被害者女性の行動の動機について様々な憶測があるが、机上論や虚飾と感じざるおえないような憶測も多い。そんな中、酒井氏の意見は同じ立場に身をおいたことがある女性の意見としてリアリティーがある。この説得力のバックボーンとなっているものは、自らの経験を含め、実際に風俗で働く多くの女性に接してきた取材経験ではないかと思うのだ。

そんな酒井氏のコメントからは、人としての優しさと不条理に対する怒り、そしてわからないことはわからないという謙虚さを感じることができる。彼女の文章は、風俗嬢に対する偏見や誤解を解き、事実と真理に近づくための多くのヒントを提示してくれるように思える。

●リンク:酒井あゆみ OFFICIAL HOME PAGE


”東電OL殺人事件”について、この『昭和・平成日本「怪死」事件史』の記事をきっかけとして、はまっていったわけだが、それ以外の記事のいくつかにも興味を持った。そんな事件についてインターネットで調べていくうち、現代日本社会の「闇」と「タブー」に呆然としてしまう・・・・それらについて次回書く。


<自ブログ>
● きっかけ
● 佐野眞一『東電OL殺人事件』(1)
● 佐野眞一『東電OL殺人事件』(2)
● 佐野眞一『東電OL殺人事件』(3)
● 渋谷・円山町






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Last updated  2006/12/07 02:02:57 AM
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