カテゴリ:治療法
みなさんこんにちは。
もう2020年も残り4ヶ月を切りましたね。 前回更新してから1年近く経ちました。 2019年はリムパーザという飲む抗がん剤をやっていましたが現在は「TS1」というものに変更しました。 またいろいろ更新していきたいと思います。 さて本日は最近よく聞くようになった『がん光免疫療法』を勉強していきたいと思います。 【光免疫療法とは?】光を利用してがん細胞だけをピンポイントで破壊する新しい治療法のことです。がん細胞は表面に「EGFR(上皮成長因子受容体)」というたんぱく質が発生することがわかっています。 この光免疫療法ではその因子にくっつきできた抗体に特殊な光を当て反応を起こし、新しい薬剤を作ります。 これを点滴で体内に注入すると抗体はEGFRたんぱく質にくっつき、そこに近赤外線を当て化学反応を起こさせ、がん細胞が破壊されます。 近赤外線はテレビのリモコンなどに使われているもののため、人体に無害で安全な治療法として期待されています。 【効果はどれくらいあるの?】アメリカでは再発した頭頸部がん患者を対象に臨床試験が行われ、15例のうち14例はがんが30%以上縮小し、うち7例は画像上確認できなくなりました。日本でも2018年から臨床試験が始まっています。 この臨床試験を進めてきた土井俊彦医師は 光免疫療法は、抗体が結合していない細胞や光が当たらない細胞にダメージを与えることはなく、がん細胞を選んで、ピンポイントで破壊できます。と仰っています。 現在主流の抗がん剤治療や分子標的薬などありますが、光免疫療法は光によってさらにポイントを絞り込んで治療するため、投与量も少なくすみ、コストを抑えることもできるそうです。 【どのように治療するのか】EGFRたんぱく質は発現しやすいがんとしにくいがんがあり、頭頸部ではほとんどの症例に発現します。 さらに、からだの表面に近い位置にあるので外からの光が届きやすいのが特徴です。 その他のがんにも発現するので応用できる可能性は高いですが、 近赤外線が届く範囲は深さ3、4センチまでなので現段階では深部にあるがんの治療は難しいとされています。 今後内視鏡などで照射できるようになれば治療の可能性は広がります。 【転移がんに効く可能性も】臨床試験が先行するアメリカでは、かたまりで存在するがんを小さくする局所治療としてのみ効果が証明されていますが、 理論上では血液中や遠隔臓器などに飛んだがんに対する「全身治療」でも効果が期待できるとのことです。 アメリカでは遠隔転移にも効果を上げるべく研究が進められています。 がんで困ったときに開く本2019 週刊朝日ムック / 朝日新聞出版 【ムック】参照 現在日本では再発頭頸部がんにしぼって臨床試験が行われ、 今年2020年6月29日楽天メディカルジャパン株式会社が再発頭頸部がんに対して開発された医薬品ASP-1929が厚生労働省より条件付き早期承認制度が適応された ことを発表しました。 楽天メディカルの会長兼最高経営責任者である三木谷浩史氏は 「これまで一日も早く患者さんの希望の光となる治療法を届けることを約束し、 多くの方のサポートをいただきながら業界の常識に囚われず挑戦を続け、 前のみを見つめ歩んできました。 この報告を、がん克服の歴史として刻めるよう、実用化へ向け万全の準備を整えていきます」 と述べています。 オンコロ参照 ___________________ 現行の抗がん剤もその他の治療も日々進化していますが 光免疫療法で全身がんにも治療できる日がくるのを楽しみにしています☆ それではまた! 旅行や散歩のお供に お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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