東京プチ旅行4 六本木「南翔饅頭店」
先日は夏休みも最後の一日。当然休みを入れているのだが、これといって予定はなし……のはずが、気づくと六本木に行ってました。ホホホ……。それというのも、かねてから欲しがっていたオーディオアンプの中古品入荷情報をつかみ、「ともかく現物見て確認だけしてさぁ~買うって決めたわけじゃないけど……」と言いつつも、積み込むかも知れないから車で行こうと、買う気満々の同僚に急遽の付き合い。というわけで10時前に家を出、一路秋葉原を目指すが、途中連れ合いがお悔やみに顔出してくるからと守谷で降り、その間「ブックエース」に一時間ほど放置されて昼食をこの地で摂ったので茨城を出たのは14時をまわっていた。まぁその間いろいろリサーチはできたのだが。ついでに開通したTX守谷駅を見る。ここから秋葉原まで800円。ここからなら10分置きぐらいに電車があるのでここまで車で来て電車乗り換えるというのもありかな。しかしまだ駐車場は整備されていないと言うことで車に戻る。しかし便利とはいえ、これにどれだけ金がかかっているんだか……つーか、こっちにこれだけ税金も投入してるにも関わらず、県北地域の放置状態ってどーなのかね。さて、目指すは秋葉原「ハイファイ堂」。名古屋、大阪、秋葉原に店舗を持ち、ネット販売も手がける高級オーディオ機器中心の中古オーディオ機器販売店である。週半ばの平日の昼下がりは、車も空くのか首都高の渋滞もなくスムーズに都心へ。ちょっと道に迷いはしたが、近くの立体駐車場に車を入れ、秋葉原中心街からはいささか外れた路地裏を歩き、この地らしい奥行きもない狭っちぃ店舗を発見。まぁ中古品扱いなのでそれほど豊富な品揃えではないが、奥にはアルテックやJBL、タンノイ等のやや疲れたフロアスピーカーが押し詰められ、棚にはマッキントッシュやラックスマン等のアンプや、バラのドライバーやユニット、アナログ機器等が所狭し(狭いんだけど)とばかりに並べられている。そんな中で同僚のお目当てはFASTのプリメイン「T1-X」。 FASTは、シンプルで飾りっ気ない無骨でさらりとした筐体ながら、並み居る大型フロアスピーカーを楽々とこなす鳴らしっぷりの良さに定評のある知る人ぞ知る国産ガレージアンプメーカー。新品では30万~100万と国産アンプとしては高価な上、マイナーなためなかなか中古は出回らない逸品。しかも程度は極上。これが半額程度で買えるのは間違いなくお買い得だったろう。つっても、俺が買うわけじゃないんで、同僚が視聴や手続きをしてる間、他の品物眺めたりお店入ったりだったが、その中でチト惹かれたのは、このアンプが鳴らしていたvandersteenのスピーカーと、入り口で鳴らしていたソリッドアコースティックスの無指向性スピーカー。最近、より存在感を感じさせない自然な鳴り方に惹かれているので、音源をあまり意識させない特殊配置のユニットによる双方の鳴りっぷりはなかなか魅力的だった。まぁしばらく買うまで至りはしないだろうが。というわけで、めでたく「T1-X」は同僚のトランクに収まり、その後はこれといって予定がないので、銀座で甘いモンか六本木で少し贅沢を……ということで、いざ、六本木ヒルズへ!というのも、こういう話になり、今回のお目当としたのは最近ハマっている海島綿を使用したハイエンド(?)タオルを扱うバスアイテムの雑貨店「TOUCH」。これがウェストウォーク4階にある。車の駐車場あるんだろか? なんて心配よそに、ちゃんと地下に立派な駐車場が。しかもさすがに車で移動する人も少ないためか(休日は知らんが)、スムーズに入れる。料金は30分300円という都内平均額だが、買い物による割引もあり、確か7,000円以上になると24時間無料という使いようの良い駐車場だった。まず少々腹ごしらえ。軽く飲茶でもと、確か評判の良い小籠包があったはず……おお、ここかとメインゲート近くの「香港茶樓」へ。それにしては空いてるなぁ…と不安を感じながらメニューを見ると、大紅包や鉄観音、プーアル50年ものなど銘のある中国茶が1200円~、小籠包は二つで720円…。う~場所だけにこんなもんかなぁ…でもそれなりの満足感あれば……と軽く小籠包に杏仁豆腐、プーアル茶を注文。客もいねーのに結構待たされ、出てきたには出てきたが、かなり満足度は低かった。まぁ不味いってわけじゃないんだけど、会計で二人で6,000円支払うと、相当に不満が残った。それでもヒルズだもしゃぁねーかーと気を取り直し、メインの森タワー、ウェストウォーク4階まで。六本木ヒルズを歩くのは二度目になるが、それにしてもわかりにくい造りだ。変に入り組んだ繋がりになっているし、店の配置のもあっち向きこっち向きと、年寄りや田舎者の歩く造りではないな。そして無事お目当ての「TOUCH」到着。ヒルズらしく上品な造りの店内には、お目当ての海島綿の他、高品質なエジプト綿、新彊綿等を使用したタオルやバスローブ等を中心に、他、石鹸や入浴剤、アロマといったバスアイテムが品良く並べられている。海島綿も、その品質や織りによって数種とり揃えられ、値段もかなり差があり、一番細い織りで仕上げた海島綿タオルは\10,000! バスタオルになると\21,000! おぉこの質感こそ……と惹かれたパジャマは軽く5万を超えていた。しかしせっかく足を運んでビビって帰っちゃいられないと、いろいろと物色。フワフワで包み込まれるような柔らかさのフロアマットやガウンもかなり魅力的だったが、ま。ウチには合わないなと、海島綿のバスタオルとタオルを一組購入。どのクラスかはご想像にお任せします。帰り際、もう一件の中華店を発見。「もしかこっちじゃん?」「どうする?」「当然……リベンジじゃ!」と入ったお店は「南翔饅頭店」。これぞ1900年に上海に開店した老舗の東京店舗。 うぁ!小籠包6個で819円。決して安くはないのだが、さっき2個720円を食ってるからね~。しかも当然のようにお代わり自由のジャスミン茶付き。これじゃなきゃぁね~飲茶は……と、豚肉入りと上海蟹みそ入り小籠包をそれぞれ注文。とはいっても、所詮小っちゃな蒸かし肉饅頭なんだから、そっれほどさ~…大体熱いの苦手なんだから……と、邪道だが火傷しないように袋をチト裂き先にスープをススっと。はっ…美味い~パク! アチョッアチョッ…モグモゴ…美味い~と、二人顔見合わせ笑顔。ウン、これだ! 次は松茸入りいこ! 締めは勿論杏仁豆! マンゴープリン! これまたウマ! ……しかし40男が二人して、そっち食わしてこっち食ってみてと狭い店内で皿回しっこして姿っても異様だったか。大体体型からして片方はラガーマンのガッチリ系そしてこっちはピタッとしたシャツで細身を強調したスリム系。こりゃ愛し合ってると見られてもやむを得ないかな。しかし階下でこういう店やっててよく上のあんな店やってけんだろう? と後調べたら、そちらは休日前は朝4時まで営業、しかもヒルズにオフィスを持つ社員には20%引きをつけるという、間違っても遊びに出てきた地方人が入っちゃいけない店だった。と結局ここでも6,500円というのは、リベンジというより総合的に見て敗者だったか……。でもその美味しいモンの満足満腹感に満たされ、東京を後にする。常磐道に入り、一気に灯り失う地方の街並みを横目にすると、やはりそのギャップに釈然としないものを感じざるを得ないが、こういう浮き世離れした一時があってもいいわな。