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カテゴリ:諸事雑感
とかくに人の世は住みにくい・・
ずいぶんと親しく付き合っている人も、あるいは長い間交流をしている友人や知人もそうですが、分かっているようで分かっていないのがその人の「ものの見方・考え方」ではないでしょうか。 換言すれば、人の生き方や価値観は他人には窺い知れないということです。 よく話し込んだり、食事をする友人がいます。私は、その友人の「ものの見方・考え方」について、ある時はとてもよく分かったような気がしているのですが、またある時は全く不可解になり、結局のところ、とかく他人は分からないということで自問自答してしまいます。いつも迷いの渦中にいて、出口を探している感じです。 否が応でも人と交流せざるを得ない私たちの社会は、住みにくい世と言えるかもしれません。でも、その人の世でなければ味わえないものが存在するのもまた事実です。 このような矛盾する人の世を軽妙洒脱(会話や文章などが、軽やかで洗練されていること)に記しているのが、私の愛読書「草枕」(夏目漱石著)です。 暗唱するほど読み返した冒頭の一節をご紹介します。 「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。 智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。 住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣(りょうどな)りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。 越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束(つか)の間(ま)の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。 ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降(くだ)る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊(たっ)とい。」 ※筑摩書房、ちくま文庫、「夏目漱石全集3」 より全文引用 おまけ<今日5月3日は何の日?> 1947年のこの日、「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」を基本理念とした日本国憲法が施行されました。。1962年には、玩具メーカーのタカラから、有名な「リカちゃん」人形が誕生しました。 ご投稿を歓迎します。ハーブのご利用についてのご質問もお気軽にお寄せ下さい。 ご参考情報:抗うつ+癒し+安眠の定番ハーブセット:店長おすすめセットサプリ(5) <hidechan1229:オーガニックハーブサプリメント専門店eサプリ東京店長> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年05月03日 19時59分42秒
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