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自然が創り出したハーブの魅力と自然治癒力

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2007年05月03日
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カテゴリ:諸事雑感
星科学上の骨董趣味と温故知新(その5)

これほど極端でないまでも、実際科学者としては日進月歩の新知識を修得するだけでもかなりに忙しいので、歴史的の詮索までに手の届かぬのは普通の事である。

しかし自分の見る所では、科学上の骨董趣味はそれほど軽視すべきものではない。この世に全く新しき何物も存在せぬという古人の言葉は科学に対しても必ずしも無意義ではない。科学上の新知識、新事実、新学説といえども突然天外から落下するようなものではない。

よくよく詮議すればどこかにその因(よ)って来るべき因縁系統がある。例えば現代の分子説や開闢説(かいびゃくせつ)でも古い形而上学者の頭の中に彷徨(ほうこう)していた幻像に脈絡を通じている。ガス分子論の胚子はルクレチウスの夢みた所である。

ニュートンの微粒子説は倒れたが、これに代るべき微粒子輻射(ふくしゃ)は近代に生れ出た。破天荒と考えられる素量説のごときも二十世紀の特産物ではないようである。エピナスの古い考えはケルビン、タムソンの原子説を産んだ。デカルトの荒唐な仮説は渦動分子説の因をなしているとも見られる。
植物学者ブラウンの物好きな研究はいったん世に忘れられたが、近年に到って分子説の有力な証拠として再び花が咲いたのである。

実用方面でも幾多の類例がある。ガリレーの空気寒暖計は発明後間もなく棄てられたが、今日の標準はまた昔のガス寒暖計に逆戻りした。シーメンスが提出した白金抵抗寒暖計はいったん放棄されて、二十年後にカレンダー、グリフィスの手によって復活した。

このような類例を探せばまだいくらでもあるだろう。新しい芸術的革命運動の影には却って古い芸術の復活が随伴するように、新しい科学が昔の研究に暗示を得る場合は甚だ多いようである。

これに反して新しい方面のみの追究は却って陳腐を意味するようなパラドックスもないではない。かくのごとくにして科学の進歩は往々にして遅滞する。そしてこれに新しき衝動を与えるものは往々にして古き考えの余燼(よじん)から産れ出るのである。

(岩波書店 1997(平成9)年4月4日発行「寺田寅彦全集 第五巻」より全文引用)

<後書き>
夏目漱石門下生として、ユーモアに中に秘めた鋭い切り口のエッセイでも知られる物理学者の寺田寅彦先生は、筆者の故郷(高知県高岡郡中土佐町大野見)と因縁浅からぬ関係で、先生の先祖のお墓も我が寒村の山中にあります。
学生時代から寺田寅彦の著作に親しんできましたが、大正八年一月『理学界』誌に発表された「科学上の骨董趣味と温故知新」は忘れられないエッセイです。
・・・自分は繰返して云いたい。新しい事はやがて古い事である。古い事はやがて新しい事である。温故知新という事は科学上にも意義ある言葉である。また現代世界の科学界に対する一服の緩和剤としてこれを薦(すす)めるのもあながち無用の業ではないのである。・・・
近代科学の申し子「IT}万能の風潮の現代に必要な言葉だと考える次第です。
少々読み辛いとは思いますが、原文のまま、分割して掲載しますので、お読みいただくと幸いです。


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<hidechan1229:オーガニックハーブサプリメント専門店eサプリ東京店長>





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Last updated  2007年05月03日 09時28分09秒
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