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カテゴリ:諸事雑感
「惑わぬ親と惑う親」
「パパ、あの先生、私のことを褒めてくださらないのよ」。長女で女優の波乃久里子さんがそう訴えたとき、先代の中村勘三郎さんはなだめて語ったという ◆「あの先生は久里子のことを娘のように思っているんだ。父親ってものは照れくさくて子供を褒めないんだよ」。劇評家の戸板康二さんが「歌舞伎ちょっといい話」(岩波書店)に書き留めている ◆先生なる人が批評家か、演出家かは分からない。「パパが先生に文句を言ってやろう」と加勢すれば、とんだ親ばかになる。「褒められるように芸を磨きなさい」という説教も、建前じみてよそよそしい。苦心の名せりふだろう ◆「人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな」(藤原兼輔)。理性を失いがちな親ばかの哀(かな)しみを詠んだ歌である。中村屋のように光の側に踏みとどまる親もあれば、闇に迷う親も絶えない ◆大学生の息子を殴った喧嘩(けんか)相手に報復の暴行を加えた疑いで、韓国大手財閥の会長(55)が家宅捜索を受けた。会長みずから約30人のボディーガードを引き連れ、拳銃を手に殴り込みをかけたとも伝えられる ◆喧嘩した息子を「ばかやろう」と叱(しか)りつければ済むものを…。教師に反面教師と、光源もいろいろある。子をもつ親にとって5月5日とは、「惑ひぬる心」の闇路を照らしてみる日でもあろう。 (2007年5月5日 読売新聞 編集手帳より全文引用) <hidechan1229:オーガニックハーブ サプリメント専門店eサプリ東京店長> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年05月08日 06時27分36秒
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