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カテゴリ:コンサート
21世紀の第九 2008.12.27(土) 3:00pm [指 揮]佐渡裕 [管弦楽]大阪センチュリー交響楽団 [合 唱]京都バッハ・アカデミー合唱団 [ソプラノ]田村麻子 [メゾ・ソプラノ]坂本 朱 [テノール]吉田浩之 [バリトン]キュウ・ウォン・ハン ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調「合唱付」op.125 主催/朝日放送 会場/ザ・シンフォニーホール 座席:C席LLD列8番 27(土)、ザ・シンフォニーホールに「第九」を聴きに行ってきました。今年の「第九」は、大阪フィルではなく初めてセンチュリーの演奏で聴きました。指揮者は、これまた初の佐渡裕氏です。彼は上のチラシとまったく同じ装いで登場しました。オーケストラと合唱団の編成もチラシと同じです。 この演奏会は毎年行なわれていてシリーズ化しており、2000年までは「21世紀への第九」というタイトルでした。21世紀に入ってからは現在のとおりです。毎回ソリストは変わっているようで、昨年はメゾ・ソプラノが林美智子さんでした。合唱団は、この「第九」のために編成された「京都バッハ・アカデミー合唱団」で、佐渡氏のお馴染みの手兵になっています。 チケットは正規の座席が完売しており、補助席と立ち見も含めて満員御礼。大人気の演奏会のようで、最近は2回公演ですが、ある時は3回公演の年もありました。さすがは、佐渡氏。貫禄の集客力です。 *** *** *** 厳かに序奏が始まりました。実にエネルギッシュな佐渡氏の指揮。それに対しオーケストラは、管楽器隊はそうでもないのですが、弦楽器隊がどうも弱くか細い響きに思えました。実はこのコンサートに来る直前に、カラヤン&ベルリン・フィルによる大編成オケのゴージャスな「第九」を聴いてしまったものですから、3階という座席の位置も関係していたこともあり、最初は音量、音質ともに少し物足りなかったです。佐渡氏の熱意あふれる指揮棒も、空回りといった感じでした。 第1楽章の半ばあたりから、ようやく耳も慣れてきたのか弦の音色も聴き取りやすくなり、第2楽章で勢いづいてゆきました。佐渡氏の大きなアクションが、オケの活気ある響きと調和する様が見て取れました。しかし、第3楽章の流れるような音楽に、少しぎこちなさを感じた部分がありました。もの柔らかくて優しい音色が聴きたかったところです。この楽章から佐渡氏は、棒を持たずに指揮しました。 第4楽章は、ソプラノとテノールを担当した歌手たちに感銘を受けました。両人とも、よく声が響いていました。一方、メゾ・ソプラノ歌手は声があまり出ていなかったようです。あとバリトン歌手も。ちょっと力みが感じられました。しかし、合唱団はとても素晴らしかった。声が美しい和音を作り出して厚みがあり、すごい音圧を受けました。迫力満点の合唱でした。 *** *** *** 京都バッハ・アカデミー合唱団のレベルが、かなり高く感じられたこと。これが最も印象に残った「第九」演奏会でした。佐渡氏の出身地・京都の合唱団ということや、長年のあいだに築いて来たお互いの信頼関係が、実力をその高みに引き上げているのかもしれません。 それに対して、大阪センチュリーは調子が出て来るまで時間がかかった模様です。第4楽章のクライマックスではエンジン全開といった感じでしたが、そこにいたるまでにエネルギーを蓄えていたのではないかと思えたほどでした。 人気者の佐渡氏とパワフルな合唱団のゆえに、集客力抜群のこの「第九」コンサート。経営危機にある大阪センチュリーですが、演奏内容のレベルアップを図り、来年もぜひ開かれますように……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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