森鴎外の長女である森茉莉さんの著作に’Caprice de Maria':「マリアの気紛れ書き」という作品がある。もう30年ほど前に月刊雑誌に連載されていて、某大学図書館の事務員をしていたわたしは、貸し出し当番の徒然に楽しんでいたものである。内容は、日々の徒然を、思いつくままに書き綴ったもの、ただし、御出自が出自だから、友人といっても文学者や役者、生活の思い出には鴎外ファミリーが登場するといった、われわれ一般人とはちょっと違う世界も描かれているが、日常の折節にはテレヴィ(森茉莉さんは、こう表記する)の感想や、アラン・ドゥロンの映画などが登場する。
ここ何日か、ブログを書いてみて、ちょっと不思議なデジャヴを感じる。---!そうだ、Caprice de Mariaだ!なんと、30年も前にブログを作っていたひとがいる!そう思うと、森茉莉ファンのわたしは嬉しくなってこのカテゴリを作ってしまった。
もちろん森茉莉さんほどの練達の文筆は望むべくもないが、カテゴリフリーなものはここに記すこととしよう。