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カテゴリ:陶磁器
以前、なにかの雑誌で、「ロイヤルコペンハーゲンのティーカップに極上の紅茶を注ぐと、カップの中の紅茶水面に『黄金の輝きを持った輪』があらわれる」という下りを読み、たちまちその想念の虜になってしまった。わたしが洋陶器集めを趣味にし始め契機の一つはこのゴールデンサークルに巡り会わんが為である。 ただ、当時は円・ドルレートが、300円/ドルくらいもしていて、ウェッジウッドのワイルドストロベリーでさえ7500円で、とても手の出ない高値の花であった。 ところが、プラザ合意を始めとする円の切り上げの時代で、どんどん円は切り上がっていき、折から並行輸入ブームが到来した。英国の陶器店に引き合いを出すと、オーバーシーシップメント(海外発送)に応じてくれて、カタログが届き、注文を入れると航空便で送ってくれた。値段を見て、さらにびっくり。なんと、カタログ価格はVAT(付加価値税:消費税の一種)込みの国内価格であり、輸出分にはVATは課税されないので、この分は値引きになるというではないか。これで、16%のヂスカウント、更に陶磁器の関税率は3.4%程度であり、しかも業者は卸値で保険申告をしているらしく、関税の課税標準もこの価格が基なので、ケースによっては非課税枠に収まるものもある。そんなこんなで、航空便を使って購入しても、市販価格の40%(つまり6割引)で購入できるものさえある始末。さらに、国際郵便小包扱いで来るので、居ながらにして世界の一流品を手に出来る。少なくとも静岡あたりまで行かないと購入できないものが、交通費ゼロで手に入るので、さらにおトク。 ということで、わたしの陶磁器コレクションのかなりの部分は、この時期に購入したものである。ただし、現在は、ディスカウントショップ・並行輸入ショップ等で適切な値決めが行われており、どうかするとオンライン・ショップで買った方が安くつくような時代になっている。 ところで、肝心の紅茶のゴールデンサークルであるが、どうしたことかロイヤルコペンハーゲンのティーカップだけ手元にないことに、この文章を書いていて気付いた。 ショップの取り扱いがなかったのか、はたまたプレゼントに使ってしまい、自分用はいつでも買えると思って、そのうち忘れてしまったか、おそらく後者であると思われる。なんとも粗忽なことだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.21 09:54:58
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