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カテゴリ:旅
昨日は実家の母を病院に連れていったので、くたびれて日記の更新を忘れてしまった。あぁ、年と共に温泉がこいしい! さて、浅原才市の故郷を一目みてみたい、と出張のついでに訪れた温泉津(ゆのつ)であったが、なんと、ここは不思議ワールドで、才市そっちのけで、その魅力に囚われてしまったのだった。 ここは、石見銀山の入り口として栄えた温泉場であるという。また、由緒書きに曰く、狸が教えてくれた温泉でもあるとのこと。温泉街の只中に、公衆大浴場があるというので、早速にそこへ行ってみることとした。と、途中に駐車場になっている広場がある。そこに餌場があり、餌が置かれていた。猫でも餌付けしているのか、とほほえましく眺めていると、そこに猫とおぼしき姿がこちらへ歩んでくる。近づいてきたその姿に、唖然!なんと、猫とみえたのは、狸なのだ。その狸公が、わたしを恐れもせずに、餌場に来て皿に盛られた餌を食べている。日常的に人がいる状況で餌を食べているのだ。しばらく眺めているわたしを尻目に、満腹になった狸公は悠然と山場へ去っていった。 公衆浴場は、古い趣のある建物で、番台で250円くらいの湯銭を払って入浴した。湯質は鉄分の多い茶色の温泉で、何人かの人が入っていた。これでも薄めてあるのだというが、その熱いこと、早々にひきあげることとなった。番台できくと、今日は「七夕まつり」なので、公民館で神楽があるという。宿でも、仲居さんが、「今日は神楽がありますよ、面白いから見に行ってらっしゃい」と勧める。 夕食を早々に済ませて、宿からほど近い公民館に行くと、浴衣姿の子供を始め何人かが集まっている。そうこうしている内に神楽が始まった。床の3分の一くらいが舞台で、太夫さんと囃し方が隅に、楽屋にしている垂れ幕の向こうから演者が出てくる。石見神楽である。 演題もすすんで、いよいよ最終演目、大蛇の登場である。狭い会場によく、こんなにと思うが、大蛇が全部で4頭。あちらへ舞い、こちらへ舞い、激しく舞っているのもかかわらず、ぶつかることもない、見事な舞であった。 石見神楽は、いくつかの社中があり、固定した座は持たず、このようにあちこちに呼ばれ、舞っていくのだそうである。しかも、この日は温泉津温泉街の行事であるため、入場料は一切なし。只でこのパワフルな、3時間以上にも及ぶ神楽を見物させていただいたのだ。 狸といい、神楽といい、非日常を堪能したわたしであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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