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カテゴリ:旅
お六字は わたくしなり 世界なり 空気各号 なむあみだぶつ と、「野にあって高い宗教的境地を具現している」と、鈴木大拙師に称えられた出雲の才市であるが、迷うのも人の常、 浮世も邪見 わたしも邪見 法の鏡を見りゃわかる あさましや わしの心は いがばかり いがのおおさが 八億四千 ひとがおそれて にげまする あさましや こんな境地が昂じて、菩提寺にある才市の肖像画は、額の両のはえぎわに角が生えて描かれているのだという。放浪の旅の果てに故郷に戻った才市の生活のどこに角を描かなければ気の治まらぬ情念があったのか、温泉街の広場にあった才市像はひたすら好々爺の面持ちで、答えてくれることはなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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