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EYASUKOの草取り日記

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2006.10.31
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 江戸川乱歩に「白昼夢」という短編がある。浮気性の細君を持った旦那が、とうとう細君を殺害し、その死体を死蝋と化して生人形の形で店に飾ってある---というおどろおどろしい猟奇的な短編であるが、これを読んだ10代後半のころから、やけに気になっていた。

 熊本市立現代美術館は、熊本市の繁華街のど真ん中にあり、ホテル日航などのあるおしゃれな商業ビルの一角を占める施設で、ユニークな企画をうちだしている美術館であるが、このモダンな美術館が、実は生人形にこだわっているのだ。

http://www.camk.or.jp/event/exhibition/ikiningyou2/index.html

 生人形とは、精密な細部や皮膚の感触等、まるで生きているかのような見事なつくりのほぼ原寸大の「ひとがた」人形で、見世物としたり民俗学の見本として作られたものである。

 なかでも有名なのが、松本喜三郎作の「谷汲観音像」で、これが一昨年熊本市立現代美術館で展覧されるというので、はるばる熊本まで飛んで行ったのである。特殊ケースに入れられ一室を占用した「谷汲観音像」は、噂に違わぬ美しさで、歯を見せて微笑むその表情は、とてもこれが人形であるとは信じられない迫真の出来で、わたしは思わず、冒頭の乱歩の「白昼夢」を想起したのだった。

 「反近代の逆襲」という副題の示すとおり、この生人形が内包する「おどろおどろしさ」は、民衆のエネルギーを反映するものであったがために、明治以降切り捨てようとして切り捨てられなかったものを表しているのではないか。極論をいえば、何とかタワーや何とかヒルズなどに代表される薄っぺらな近代なんて、まだまだ白昼夢にすぎないのではないか、とこの美術展の企画者は言っているような気がするのである。

 今年の展示は松本喜三郎と並び称される安本亀八であるので、わたしの好みとはちょっと外れるので、飛んでいくことはないのだが、超近代的な美術館が反近代を謳うのは、何気に面白いものである。

 日本の「辺境」は、まだ細々ではあるが存在している。






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Last updated  2006.10.31 22:26:38
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