今回は、某社のパック旅行でイタリアにいったが、まずびっくりしたのは、日本人のツアー客の多いことだった。フィレンツェやベネチアでは、見渡す限り日本人のパック旅行。特にウフィツィは、ビーナスの誕生のあるボッチチェリの部屋やダ・ヴィンチの受胎告知のある部屋は、ある組の日本語ガイドさんがお話を終えたと思ったら、次に来た団体さんも日本語での説明で、まるで日本の美術館にいるよう。
イタリアではガイド業は資格のある人でなければ出来ず、旅行会社の添乗員がガイドなしで説明を行うことは違法になり逮捕されてしまうという。そのため、われわれのツアーの見学場所では、必ずガイドさんがついたが、日本語のできるガイドさんばかりではなく、不思議なのは、その際にはもう一人「日本語ガイド」という人がつくのである。そして、このケースでは、イタリア人「ガイド」はほとんど何もせず、ただいるだけ。「日本語ガイド」さんが一人で観光案内をしていくのだ。思うに「日本語ガイド」と名のついた人たちはガイド資格が認められておらず、「日本語の通訳」としてのアリバイ作りのため「イタリア人ガイド」(多分資格は持っているのだろうが)が存在するのではないだろうか。
「あのおばちゃんや、おねえちゃんは、なにもしゃべらず何しに来たんだろう」、と不可解であったが、よくよく考えて見るにそういうことだったのではないだろうか。添乗員さんに尋ねてみればよかった。